[BOOKデータベースより]
陶芸家・内田鋼一が、萬古焼を紐解く。キッチュな魅力にあふれ、現代の暮らしや感性に訴えかけてくる明治〜昭和時代の萬古焼に今、光をあてる。
萬古焼とは何か(地理的条件;萬古焼の歩み)
1 CATALOG 萬古焼の世界(統制陶器・代用陶器;カラーバリエーション ほか)
2 STYLING 萬古焼のしつらえ(スタイリング)
3 PERSON 萬古焼のキーパーソン(秦秀雄と春山、秦山の急須;対談 秦秀雄と春山の萬古急須との出会い―山本將子、山本哲也(各治)×内田鋼一 ほか)
4 ARCHIVE アーカイブの意味(対談 アーカイブすることで見えてくるもの―皆川明(ファッションデザイナー)×内田鋼一)
明治期より、三重県四日市市の地場産業として発展してきた萬古焼。陶芸家・内田鋼一は、産業の知恵から生まれたその魅力はもちろん、萬古焼にまつわる著名人の対談も含め、多角的にひもといていく。
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明治期より三重県四日市市の地場産業として発展してきた萬古焼。
昭和54年には伝統工芸品の指定を受け、北大路魯山人が主催した「星岡茶寮」の支配人・秦秀雄氏が萬古焼の急須を高く評価し『民藝』で紹介するなど、一部では認められてきましたが、残念ながら現在は一般にあまり知られていません。
四日市市のまわりには、京都・瀬戸・美濃・常滑など多くの有名な窯場があり、やきものに適した土もなく、決して恵まれた環境ではありませんでした。
しかしだからこそ、造形やデザイン性、流通の開拓など、多くの創意工夫をすることで、ほかにはないオリジナリティを生み出してきました。
特に、どこかキッチュな魅力があふれる大正〜昭和の萬古焼のデザインは、現代に生きる私たちの暮らしや感性に訴えかけてきます。
また、まざまなアイデアを受け入れる懐の深さや自由な気風や、海外のメーカーとの仕事など、未来のやきもの産地のあり方を考える上でのヒントも多く含んでいます。
陶芸家・内田鋼一は、そんな産業の知恵から生まれてきた萬古焼に魅了されコレクションをするうちに、そのやきものが持つ魅力とその批評性に惹かれ、産地としての萬古焼に焦点をあて、やきものをアーカイブするミュージアムを企画し、今年の11月に開館予定でいます。
その公式書籍であるこの本では、さまざまな萬古焼の紹介や、秦秀雄・日根野作三といった萬古焼にまつわるキーパーソンを知ることのできる対談、スタイリスト・高橋みどりによる萬古焼のしつらえ、mina perhonenのデザイナー・皆川明との対談などを収録。
三重県四日市市で作陶する陶芸家の視点から、萬古焼を多角的に紐解いていきます。