[BOOKデータベースより]
“おばあさん”になりたい、自称68歳の村崎さん、未来でなく“今”を生きたい紫さん、“徐々に”年をとりたいスカート男子・加藤くん。町の公民館の「編み物クラブ」に通う未来は未定!高校3年生の冬ものがたり。
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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
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★プロ書店員レビュー★
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「私を束ねないで」
山崎ナオコーラの小説は、いつも「私を束ねないで」と訴える。本作ではまず「年齢」による区分を問う。常識や先入観をそのままにせず、ほぐして開いてみせる。その手つきは、作品を重ねるごとにやさしくなっている。強いメッセージが物語によく馴染んで、浸透力を増している。やわらかい空気の中で、自由についての哲学が研ぎ澄まされていく小説。「個人の尊重」を1ミリも諦めることなく、同時に自己を絶対視する教条主義にも警戒する。ときに揺らぎ変化する「個」の多様性が最大限尊重される倫理を探る。古今の自由論が密かに編み込まれている。こんなにふんわりとしたタッチで、ここまで書けるのか、ここまで迫れるのかと驚きながら読んだ。一見かわいらしいが、ラディカルな哲学小説だ。作家は慎重に選んだ言葉で、世界を書き換える。私たちは、更新された世界を生きよう。
レビュアー:野上由人 / リブロ / 男性 / 40代
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おばあさんっぽくなりたい18歳の私、今を生きたい紫さん、ゆっくり歳をとりたい加藤くんーー高3の特別な冬を描く著者最高傑作!