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- ドゥルーズの哲学
-
生命・自然・未来のために
講談社学術文庫 2325
- 価格
- 1,100円(本体1,000円+税)
- 発行年月
- 2015年10月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784062923255
[BOOKデータベースより]
現代思想は「私」の同一性に固執してきた。それから、私という存在を保証してくれる外部としての「他者」論に到達した。でも、それはしょせん「私」に定位した思想だ。「私」は思考を停止させるのではないか。ドゥルーズは同一性の哲学を捨て差異の哲学に向かう。現代思想を、真に更新しえた稀有な哲学者に徹底してよりそい、鮮烈に読み解いた快著!
第1部 差異と反復(変異と進化;普遍数学;自然の哲学;ツリーとリゾーム;生命の哲学)
第2部 未来の哲学(批判と臨床―スピノザ;生存の肯定―ニーチェ;人間の終焉―フーコー;未来の素描―フランシス・ベイコン;出来事と運命―シネマ)
「差異」を生きる、とはどういうことなのか。ドゥルーズの単著を深く読み込んだ上で、「微分的なるもの」にその哲学の本質を見いだした、記念碑的名著。『差異と反復』は、たんに有名な現代思想の一つにすぎないのではない。分子生物学などの知見を取り込みつつ、「生きることそのもの」を哲学した傑出した著作なのだ。ドゥルーズの思考によりそい、新しい哲学と倫理のあり方を示した快著の文庫化なる!
ジル・ドゥルーズ(1925−1995)は、20世紀後半を代表する哲学者、哲学研究者です。
わが国でも、早くは、浅田彰『構造と力』、蓮實重彦『フーコー・ドゥルーズ・デリダ』などにより、紹介されてきました。21世紀の現在でも、なお、現代思想を代表する哲学者といえます。
ただ、日本への移入は、ドルゥーズのある一面に焦点をあてたという側面があり、また、日本の読者もそれを受容してきた歴史があります。
ドゥルーズの主著は『差異と反復』です。「差異」とは何か、「反復」とはどういうことか、それこそが、ドゥルーズの哲学の根本と言えます。
本書は、このテーマに真正面からとりくみ、ドゥルーズ研究の画期をなした力作です。
『差異と反復』は、分子生物学が誕生して間もない頃、その自然科学が持つ潜在力を認識しながら、新しい生命哲学を示そうとしました。そこには、微分という契機が不可欠でした。
では、なぜ、微分なのか?
本書は、そのスタート地点から始めて、周到にドゥルーズの思考をたどり、やがてスピノザ研究やニーチェ研究、また映画の研究を通じて、新しい倫理を引き出そうとした彼の哲学のみちすじを明らかにしていきます。
「差異」とは、乱暴に一例をあげれば、たとえば、誰も同じ人間ではない、あるいは「私」自体も、時間とともに変化して同じ存在ではありえない、ということです。世界はそのようにして出来ている。
紛争や格差が広がる現代世界の困難な状況を見ても、誰も、何も、同じでないことが、問題の根本の契機になっていることはあきらかでしょう。
では、「差異を生きる」とは、どういうことなのか。それを考えるうえでも、本書は必読の入門書といえます。
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ただ、日本への移入は、ドルゥーズのある一面に焦点をあてたという側面があり、また、日本の読者もそれを受容してきた歴史があります。
ドゥルーズの主著は『差異と反復』です。「差異」とは何か、「反復」とはどういうことか、それこそが、ドゥルーズの哲学の根本と言えます。
本書は、このテーマに真正面からとりくみ、ドゥルーズ研究の画期をなした力作です。
『差異と反復』は、分子生物学が誕生して間もない頃、その自然科学が持つ潜在力を認識しながら、新しい生命哲学を示そうとしました。そこには、微分という契機が不可欠でした。
では、なぜ、微分なのか?
本書は、そのスタート地点から始めて、周到にドゥルーズの思考をたどり、やがてスピノザ研究やニーチェ研究、また映画の研究を通じて、新しい倫理を引き出そうとした彼の哲学のみちすじを明らかにしていきます。
「差異」とは、乱暴に一例をあげれば、たとえば、誰も同じ人間ではない、あるいは「私」自体も、時間とともに変化して同じ存在ではありえない、ということです。世界はそのようにして出来ている。
紛争や格差が広がる現代世界の困難な状況を見ても、誰も、何も、同じでないことが、問題の根本の契機になっていることはあきらかでしょう。
では、「差異を生きる」とは、どういうことなのか。それを考えるうえでも、本書は必読の入門書といえます。