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[BOOKデータベースより]
戦後70年間、日本人は2つの大きなディレンマを抱え続けてきた。1つは、民主主義と経済成長を至上命題とするアメリカ的価値観と伝統的な日本的価値観との軋轢。もう1つは、平和憲法を謳いながら日米同盟を結び米軍基地を置く、自己矛盾した「国のかたち」である。本書では、こうした「戦後日本」という特異な空間を読みとくために「日米の非対称的な二重構造」という「補助線」をひく。なぜ保守も革新も、自ら進んでアメリカに追従してきたのか。戦後日本を規定する構造を鮮やかに描き出し、我々が進むべき方向を指し示す。日本を代表する思想家が放つ待望の戦後論!
第1章 漂流する日本人(ニヒリズムの時代;人間中心主義という思い上がり ほか)
第2章 「戦後レジーム」が抱えるふたつのディレンマ(「文明の衝突」に巻き込まれた日本;日本とイスラムの対立は必然 ほか)
第3章 「あの戦争」とは何だったのか(「戦後」はいつから始まったのか;事実の隠蔽によるごまかしの「戦後意識」 ほか)
第4章 憲法を制定するのは誰か(日本国憲法は「違反憲法」である;憲法公布の二重構造 ほか)
第5章 「戦後レジーム」はこうして成立した(ホッブスが示した民主主義の原則;憲法の「平和主義」が胡散臭いわけ ほか)
第6章 「ガラスでできた鏡張りの部屋」の中で(「アメリカによる日本の構造的障害除去プログラム」;再びの「国民総転向」 ほか)
第7章 「ごっこの世界」の中にある日本(アメリカ的価値への無意識の従属;「悪の帝国」と戦う「正義の共和国」 ほか)
第8章 日本を縛る「非対称的な二重構造」(日米関係の質的変化;「日米の価値観の共有」という幻想 ほか)
第9章 「近代日本」という悲劇(高校野球と日本の開国;維新の精神から文明開化へ ほか)
稀代の思想家が、「戦後」の始まりに何があったのか、「戦後」はどのように生み落されたのかを日米間の非対称な構造から探る。
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