[BOOKデータベースより]
1(暗黒のユーモア―あるいは文学的テロル;暴力と表現―あるいは自由の塔;権力意志と悪―あるいは倫理の夜;薔薇の帝国―あるいはユートピア;母性憎悪―あるいは思想の牢獄)
2(サド復活―デッサン・ビオグラフィック;文明否定から新しき神話へ―詩とフロイディズム;非合理の表現―映画と悪)
澁澤龍彦 渾身の処女エッセイ集
マルキ・ド・サドの思想を縦横に紹介しつつ、フーリエ、マルクス、トロツキー、ブルトン、バタイユなどの精読を通して、テロル、暴力、自由、美、ユートピアなどについて独自の考察を開示し、自らの文学的位相を確然と宣言した記念碑的なエッセイ8篇。
「ソドムの120日」を始めとするサド文学論や、サドの生涯を簡潔かつドラマチックに密度濃くまとめた小論等、筆者の冴え渡る筆遣いで、20世紀のサドが生き生きと甦る。
サド的明晰性につらぬかれた筆者の過激な想念が、いま再び思想の〈現在性〉を問う、澁澤龍彦31歳時の“渾身”の処女エッセイ集である。
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