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[BOOKデータベースより]
多様性が承認される「自由」な社会。「自由な個人」として不平等な市場に組み込まれるわたしたち。文化か、経済か。承認か、再分配か―このジレンマを乗り越えることは可能なのか。ポスト新自由主義を見すえるジェンダー研究の最前線。
第1部 承認と再分配の問題とは何か(承認論とジェンダー論が交叉するところ;フレイザーとバトラーの「再分配/承認」論争;ポストフェミニズムと日本社会―女子力・婚活・男女共同参画;“分配か承認か”の手前で―ケアの倫理からの再考;分配的正義から交換的正義へ―「我が家の楽園」としてのコミュニズム)
[日販商品データベースより]第2部 承認、再分配、そして文化(「貧困との戦い」の行方―貧困の文化化とアパラチア;学習社会とポストフェミニズム―『リタの教育』における終わりなき成長;シングルマザーが夢見るユートピア―『時を飛翔する女』における「家族」のオルタナティヴ;承認の外へ―根間智子と仲宗根香織の写真における「問い」としての沖縄;フランスの地方美術館による作品収蔵と芸術家の様相―印象派とポスト印象派を中心に)
第3部 イスラームと女性(イスラームと女性の地位―まず、知るべきこと;現代フランスにおける「スカーフ論争」とは何なのか―レイシズムと女性の身体をめぐって;表象=代表(representation)、知識人、教育―マララ・ユスフザイの国連スピーチを読む)
一橋大学リレー講義「ジェンダーから世界を読む」から、
『ジェンダーと「自由」』に続く第三弾!
第二波フェミニズムの理論の成果が、マイノリティの承認(アイデンティティ)を
進める方向に手を貸したときに、たくさんのマイノリティ、あるいはたくさんの「わたし」が
その存在を認めてもらったが、そのかわりに忘れ去られたのが再分配(経済)の問題だった
−−ナンシー・フレイザーが端的に示しているように、フェミニズムの運動は、
女が一種の階級であるかのように下層に置かれていた現実の変革を目指すべく
始まったものの、各種権利が男と同等のものとして与えられたとき、
実のところその権利が市場への消費者としての参入へと変換され、結果として
新自由主義が生みだしたあらたな経済的格差(再分配)の問題を見えなくしている。
私たちは承認と再分配を並び立たない二律背反の問題として捉える発想に
はまりこんでいるのではないだろうか。