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- 湖の騎士
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これからのリベラル思考とは
私も普段リベラル派の立場で、ネット掲示板等に書き込みをして、よく集中砲火を浴びるので香山氏の気持ちが良く分かります。
反論してくる人たちは、必ず「在日」「反日左翼」「工作員」等のレッテル貼りをしてきます。
しかし、そういう人たちは「中・韓」あるいは「社会的弱者」を悪者に仕立てるための情報を大量に持っていて、「何でそんなことまで知ってるの?」と驚くことは、多々あります。
こういったことを「反知世主義」と言う言葉で、かたづけてしまっていいのかどうか、疑問が残ります。
リベラル派は、より知識を習得して、もっと社会を良い方向へ変革しようとする努力を放棄していないでしょうか。
この本は、そうした現在のリベラル派の硬直した思考に一石を投じるものとなっているように思います。
また、「まえがき」にある姜尚中氏の「今や“平和主義”というのは侮蔑語になりつつあるんですね」という話は、大変大きな共感を覚えるものでした。
[BOOKデータベースより]
昨今、ネット上では中国・韓国を批判する書き込みが目立ち、排外的なヘイトスピーチも問題となった。加えて安倍政権による集団的自衛権の行使容認が決まり、一連の動きを日本の「右傾化」と見る向きは多い。その背景には、単に「保守派」「タカ派」の影響力が増しているだけでなく、リベラル派の衰退がある。彼らの影が薄くなった要因は、他ならぬリベラル派自身にあるのではないだろうか。端的に言えば、リベラル派は「嫌われている」のだ。「自由・平等・公平」の実現を目指すリベラル派が、なぜ支持を集めることができないのか。リベラル派を自認する著者が、自戒を込めてその理由と対策を探る。
第1章 リベラル派は嫌われている?(「リベラルった何だ」という問題を考えるきっかけ;罪を犯した精神障害者をどう扱うかという問題;立ち消えになった「処遇困難病棟」案;九〇年代初頭と現在との大きな違い;報じられることのなかった、秘密保護法案成立への動き;誰かが気づくかもしれないという思い;無力になったリベラル派の意見 ほか)
[日販商品データベースより]第2章 「純血主義」で分裂するリベラル派(小泉元首相の「原発ゼロ宣言」;脱原発の「理由」は重要ではない;一点突破ができないリベラル派;「純血主義」があらわになった二〇一四年の都知事選;負けグセのついてしまったリベラル派;リベラル派に生まれた疑心暗鬼;一矢報いるためには何が必要か ほか)
第3章 「ポジナショナリズム」の時代(グーグルの「サジェスト汚染」による被害;ファンレターの何十倍も届く批判の手紙;「反日」のリベラル派はいるのか;二〇〇〇年代になって高まってきたナショナリズム気分;橋下現象から安倍現象へ;橋下氏と石原氏の日本維新の会が分裂した理由;安倍氏よりも橋下氏のほうが、まだマシ ほか)
第4章 リベラル派が生き残るには(「私がすばらしくあるために、国がすばらしくなければならない」;「新自由主義」という手強い敵;「売れれば良い」でも「売れなくても良い」でもなく;リベラル派は清貧でなくてはならないのか;清貧思想がリベラル離れを加速する;福田和也氏の不満;左翼は貧乏くさいのか ほか)
リベラル派の影が薄くなった要因は、リベラル派自身にある。「自由・平等・公平」の実現を目指すリベラル派が、なぜ支持を集められないのか。リベラル派を自認する著者が、自戒を込めてその理由と対策を探る。