- 「国史」の誕生
-
ミカドの国の歴史学
講談社学術文庫 2247
- 価格
- 1,056円(本体960円+税)
- 発行年月
- 2014年07月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784062922470
[BOOKデータベースより]
近代日本の歴史学は、江戸期の知的伝統と洋学が結合し、摩擦を起こしながら、「新しい日本の自画像」を描くべく成立した。山片蟠桃や平賀源内の合理的思考。福沢諭吉、西周の学問観。実証史学を移植したドイツの歴史家リースと「国史」誕生への道程。そして久米邦武筆禍事件、南北朝正閏論争など、国家との軋轢の中で歴史学は挫折し、鍛えられていく。
第1章 「ガリヴァー」の遺産―近代史学のルーツ(江戸のなかの西洋;江戸期の考証学;近代史学の周辺)
第2章 「ミカドの国」の周辺―近代明治の学問事情(開化期の史学事情;文明史からの解放)
第3章 「カイザーの国」の歴史学―西欧史学の移植(「欧羅巴」史学の履歴書;リースと「史学会」;リースが見た「日本」)
第4章 「ミカドの国」の歴史学―久米事件とその周辺(久米邦武筆禍事件;「ミカドの国」の輪郭;久米事件の源流)
第5章 「ミカド」から「天皇」へ―喜田事件とその周辺(南北朝正閏論争;南北朝問題の源流;「ミカドの国」の終焉)
近代日本の歴史学は、江戸期の漢学の流れと、国学・水戸学の流れ、そこに洋学が結合し、摩擦しながら、「新しい日本の自画像」を描くべく成立した。鎖国下の平賀源内や荻生徂徠、明治期の福沢諭吉、森鴎外らの歴史観、ドイツから来日したリースの働きなどから、「国史」誕生の経過を描く。さらに、久米邦武筆禍事件、南北朝正閏論争など、「天皇制」との軋轢のなかで近代歴史学が挫折し、鍛えられていく過程をたどる。
日本の近代歴史学の成立事情とその背景のドラマを、おもな歴史学上の事件と人物を中心に描き出す。
明治時代とは、江戸期の知的遺産と、急速に流入した西欧の学問が出会った時代だった。歴史学に関していえば、江戸期以来の漢学、特に朱子学の流れと、国学・水戸学の流れ、そこに洋学が結合し、あるいは摩擦を起こしながら、「新しい日本の自画像」を描くべく、「歴史学」が成立し、さらに「国体史観」を形成していったのである。
本書では、鎖国下の平賀源内や林羅山、荻生徂徠らの歴史認識から、明治期の福沢諭吉、森鴎外らの歴史観、実証史学の移植に寄与したドイツの歴史家・リースの働きなどをみながら、「国史」誕生の経過をたどる。
さらに、久米邦武筆禍事件、喜田貞吉と南北朝正閏論争など、「天皇制」との軋轢のなかで近代歴史学が挫折し、あるいは鍛えられていく過程をみていく。
日本の歴史学の成り立ちをあらためて整理し、現代も問われ続けている、「国家」と「歴史研究」との緊張関係という問題を考察する手掛かりとなる好著。
〔原本:『ミカドの国の歴史学』新人物往来社 1994年刊〕
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本書では、鎖国下の平賀源内や林羅山、荻生徂徠らの歴史認識から、明治期の福沢諭吉、森鴎外らの歴史観、実証史学の移植に寄与したドイツの歴史家・リースの働きなどをみながら、「国史」誕生の経過をたどる。
さらに、久米邦武筆禍事件、喜田貞吉と南北朝正閏論争など、「天皇制」との軋轢のなかで近代歴史学が挫折し、あるいは鍛えられていく過程をみていく。
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〔原本:『ミカドの国の歴史学』新人物往来社 1994年刊〕