[BOOKデータベースより]
美しい「日本の象徴」でいま起こっていることは、日本社会が抱える問題そのものだ!複雑に絡まり合う利害関係をどう解きほぐし、国家の宝を後世の人々へと受け継ぐべきか。日本を代表するアルピニストが語った「ほんとうに質のよい観光」とは。
第1章 富士山のゴミ問題は解決したのか
第2章 「日本の象徴」の背後でうごめく人間の陰
第3章 不自然すぎる「文化遺産」への鞍替え
第4章 それでも「世界遺産ありき」で人々は動いた
第5章 熊野古道、小笠原諸島の成功に学べ
第6章 「入山規制」と「入山料」を真剣に考える
第7章 究極の切り札は「富士山登山鉄道」
終章 日本の宝物を次代に受け継ぐために
阿川佐和子さん推薦! 「名誉欲はないけれど好奇心が人一倍。善人にみえるが案外のB面好き。そんな野口健だから、その言葉には真実がある」▼▼美しい「日本の象徴」でいま起こっていることは、日本社会が抱える問題そのものだ!▼2013年6月、富士山は世界文化遺産に登録され、日本中が沸き立った。しかしその清掃登山に尽力し、「富士山が世界遺産になったらいいね」といいつづけてきた野口氏は第一報を聞いたとき、悔みに悔みきれなかったという。▼「清掃登山に全力を注ぐなかで、環境問題を超える富士山のほんとうの問題に気づいてしまった」。そう野口氏は語る。そこで彼がみたのは「日本の象徴」の背後で既得権にしがみつき、縄張り争いに奔走する「人間」の姿だった。▼そうしたなかでひたすら「世界遺産登録」だけを目的に準備が進められてきたことを、綿密な取材を重ねながら本書は描き出していく。そして、じつは今回の世界遺産登録にはユネスコからの「条件」がついていることを、どれだけの日本人が知っているだろうか。▼その「条件」をクリアできなかった場合、富士山は「危機遺産」入りもしくは世界遺産登録取り消しすらあり得るのだ! ならば、もつれた人間関係の糸をどう解きほぐし、日本の宝を「守る」ためにいま何をすべきなのか。▼そこで野口氏は「富士登山鉄道」など目から鱗のビジョンを次々に打ち出していく。そもそも江戸時代の富士山登山は「弾丸登山」どころか「スローな旅」だった。そうした「ほんとうの観光」のあり方をも描きながら、日本を代表するアルピニストが著した衝撃の一作。▼▼内容例:「それは義務か?」と開き直って怒る中国人/登山客の激増で環境汚染はさらに進む/山梨と静岡で山開きの日が違う!/八合目から上は浅間大社の私有地/山小屋にも渦巻く巨大な利権/「自然遺産」がダメなら「文化遺産」だ!/鎌倉は富士山の「ダミー」になったのか?/めざすべきゴールの違い――毎日新聞との訣別/小笠原諸島の主役は「カタツムリ」/あと10万人の登山者を減らすために/なぜ登山鉄道がとっておきの秘策なのか/スイスのツェルマットに学ぶべきこと/高まりつづける「日本を知ろう」という気運/外国人の評価にあまり追随しないこと/いま僕たちがもつべきは大きな歴史観
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HonyaClub.comアンケート
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「おすすめ夏の文庫2014」レビューコメント
山を知り尽くしている野口健さんだからこその内容で、納得する場面も多く、楽しく読むことができる。(Hiro/女性/40代)
なぜ日本を代表するアルピニストは「富士山の世界遺産登録」を嘆くのか。日本が誇る霊峰の驚くべき現状と私達がいまできることとは?