[BOOKデータベースより]
哲学の究極の課題とは、日々新たな自己になることである。めまぐるしく変化する現代にあって、躍動感のある精神を保ち、自身の新たな可能性を切りひらくには?難局に出会うたび変貌し、新たな希望を掴んだ科学者・寺田寅彦、作家・坂口安吾、画家・マティス…。人間が秘める力を最大限に発揮し、新たな能力を形成するオートポイエーシス理論を背景に、弾力性のある生涯を生きた人々の自己実現の哲学を探る。
序章 束の間の少年―“少年知”の輪郭(ピーターパン;少年の「類似体」)
第1章 不思議さのさなかを生きる―寺田寅彦(一八七八〜一九三五年):永遠の科学少年(少年が生きる不思議さの感覚;多様な現象を見る眼の形成;自己組織化する世界のなかで;感性による推論)
第2章 身の丈を一歩超え続ける―アンリ・マティス(一八六九〜一九五四年):終わりのない工夫の連鎖(「ふんわりとした解放感」の人;色の発見;時代の偶然;相棒)
第3章 成熟しないシステム―坂口安吾(一九〇六〜一九五五年):人間の番外地(無垢の魂;おのずと欠落していくものへの快と「非哀」;“束の間の少年”の結晶体;異系発達の者たちの傍らにいる安吾)
終章 オートポイエーシス少年―哲学の彼方へ(オートポイエーシスとは何か;オートポイエーシスの応用)
人間が秘める能力を最大限に活かすオートポイエーシス(自己制作)の哲学の視点から、科学者の寺田寅彦など、難局に直面しても躍動感のある精神を保ち、新たな可能性を切り拓いた人々の生涯に自己実現の知恵を探る。
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永遠の科学少年・寺田寅彦。イノチガケの未熟を生きた作家・坂口安吾。色がみと戯れた画家マティス。若々しい作品を生み続けた科学者や作家の生涯を丁寧にたどり、能力開発のヒントとのびやかな自己実現の知を探る。