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[日販商品データベースより]
おそろしい妖怪が自分を食べにくると泣くおばあさん。きっと助けてあげるからと、たまご、ぞうきん、かえる、こん棒、火ばさみ、牛のふん、石のローラーが力を合わせて立ちむかう…。トウ族に伝わる痛快な昔話。
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むかしむかし、ある村に、おそろしい妖怪がいました。なんでも、ざんばら髪に、青黒い顔、するどいきばで、馬でも牛でも手あたりしだい食べてしまうというのです。あるばん妖怪は村はずれに住むおばあさんの家にやってきます。そしてかわいがっていた子牛をひとのみにした後、こういうのです。「あしたは、おまえを食いにくる」さあ、大変なことになりました。おばあさんは泣きながら助けを求め、外へ出ます。すると「だいじょうぶ、きっとたすけてあげるから。」とつぎつぎに声をかけてくれたのは、たまご、ぞうきん、かえる、こん棒、火ばさみ…。ちょっとびっくりしてしまうようなユニークなおともだちばかりだけど、表情はとっても頼もしいのです。集まって作戦を練ったみんなは、おばあさんの家で妖怪が来るのを待ちかまえます。さてこの後の妖怪のやられっぷりといったら。お話の途中で、何かに似ているような…と思った方、そう!こちらは、日本の昔話「さるかに合戦」の後半でさるに仇討ちをする場面とよく似ているんです。しかしこちらは、日本からはるか遠く離れた中国の少数民族トウ族に伝わっているお話。さらにこの他にも、ミャオ族の「ひよこの仇討ち」、イ族の「母さんを救え」などの類話があるそうで、再話をされた君島久子さんはそれらも参照しながらこの絵本を作られたそうです。「民話」には民族や文化の違いも国境も越えて、はるか遠くの人びととも心を通わせ、共感しあえる力がある、という君島さん。奥深い「民話」の世界、さまざまな国のお話をいろいろ読んでみたくなってしまいますね。絵を描かれているのは、やわらかなタッチと温かい色使いで異国の雰囲気をぐっと伝えてくれる小野かおるさん。ページを開けばすぐにむかしむかしの中国の世界に連れて行ってくれます。おそろしい妖怪の話でありながらも絵にはユーモアたっぷり。たまごやぞうきんやかえるなど小さなものたちが並んでおばあさんの家にやってくるところはとくにおかしくて見てもらいたい場面です。君島久子さんとの同じコンビで、『銀のうでわ』『巨人グミヤーと太陽と月』『天女の里がえり』など、他にも中国の民話や昔話が出ていますので、どうぞ合わせてお楽しみ下さい。
(絵本ナビ編集部 秋山朋恵)
中国の少数民族トゥ族に伝わる昔話。
読むと、あ、「さるかに合戦みたい!」と思います。
おばあさんを妖怪から助ける友だちたちが、なんともユニークです。
たまご、ぞうきん、かえるに、こん棒。
特に、手足の長いたまごの姿が、可愛すぎます。
ユーモラスな絵がお話とあっていて、とても良かったです。(クッチーナママさん 40代・東京都 女の子16歳、女の子13歳、男の子11歳)
【情報提供・絵本ナビ】