[BOOKデータベースより]
月見草の花のいのちは、一夜だけ。あの日、お月さまにつよいねがいをかけました。
[日販商品データベースより]ある夏の夜、花開いた月見草は、清吉の馬子唄に聞き惚れ、恋をした。その晩、月夜という名の娘が清吉の前に現れた。月夜と清吉は夫婦になるが…。情愛の深さゆえの哀しみとせつなさに胸を打たれる絵本。
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誰も見ていない夜に、一際美しく咲く「月見草」という花をご存知ですか。真夏の闇夜にぼんやりと浮かぶ幻想的な白い花。月を見上げるように花開く凛とした立ち姿は、清楚で清らかな心をもつ艶やかな美しい娘のよう。夕方から咲きはじめ、月の出る時間に生命の限り花びらをひろげ、その花の色は白からゆっくりと淡紅色に染まり朝方にはすっかりとしぼんでしまう夢のように儚い野草。一度その姿を見た者は誰しもが魅了されてしまう不思議な花だそうです。この絵本は、夜にひっそりと咲くその美しい月見草が、人間の男に恋をした愛しくも哀しい物語。蒸し暑い夕暮れ、海沿いの蛇のようにうねる街道を馬子の清吉は、馬子唄を歌いながら馬を引き峠を越します。ホーイホイだれが待つやら宵の月 ホーイホイ深い木立の奥にひっそりと命を宿した月見草。その峠から聴こえる清吉の馬子唄に思いを馳せ、その晩、月見草は、月夜(さよ)という美しい娘に姿を変えて清吉の前に現れるのです。二人は結ばれるべき運命のごとくお互い強く惹かれあい夫婦になります。一年たっても二人がお互いを思いやる気持ちは衰えることなく、ある時雷雨に襲われた清吉は偶然にも雨宿りの場所で、1本の美しく咲く月見草に出会ってしまうのです。そして・・・。この悲恋の物語は、作者の飯野和好さんが今から10年ほど前に熊本で、「語りと絵本」の講演に参加されていた語り部の蒲原タツエさんから教えていただいたお話だそうです。蒲原さんは、佐賀地方の民話を独特の語り口で伝承し、市重要無形文化財の語り部としてご活躍された方で2013年3月にご永眠されています。飯野さんは、この妖しくも不思議なお話にひどく心を揺さぶられ、深い愛情が招いてしまった哀しみとせつなさをいつか絵本にしたいと長年願い続け実現されました。そんな思いを秘めたこの絵本。開いたが最後、暗闇の中、妖しく輝く月見草を見つけてしまった旅人のように、その色香漂う圧倒的な絵の魔力にすっかりと惑わされてしまいます。人を慈しむ心の情愛を感じられる作品、是非とも飯野さんの絵本の世界でご堪能ください。
(絵本ナビ編集部 富田直美)
人知れず咲く月見草の恋心、とてもロマンチックなお話です。
でも、愛する嫁のためにと摘み取った月見草が、女房の命を摘み取ってしまうなんて、馬子の清吉のいたたまれない悲しみが想像されて切なくなりました。
月見草の清楚な姿が余韻として残り、心打たれる話です。
(ヒラP21さん 60代・千葉県 )
【情報提供・絵本ナビ】