[BOOKデータベースより]
古今東西の文学を縦横無尽に論じる、比較文学者西成彦による満を持しての鴎外論。
1 鼠坂殺人事件ほか(鼠坂殺人事件―性暴力と「恥」について;老移民と皇太子―愛国心と「恥」について;『鼠坂』(森鴎外);『籔の中』(後半)(芥川/龍之介))
2 性欲と石炭と植民地都市―『舞姫』再考
3 鴎外と漱石、そして百〓(けん)(鴎外と漱石―乃木希典の殉死をめぐる二つの文字;『三四郎』の下層;百〓(けん)と漱石、あるいは百〓(けん)の漱石;反=三四郎の東京)
4 『山椒大夫』における政治、あるいは宗教離れ
心を、体をざわつかせる、圧殺された恥を掘り起したい…。古今東西の文学を縦横無尽に論じる、比較文学者・西成彦による満を持しての鴎外論。近代の申し子ともいうべき鴎外の冷徹なまなざしが明らかになる。
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古今東西の文学を縦横無尽に論じる、比較文学者西成彦による満を持しての?外論。戦時性暴力を静かに断罪する『鼠坂』、性欲処理に悩める男を描いた『舞姫』、民衆の語りを政治の語りに変えてみせた『山椒大夫』など、人間の身勝手さ、残酷さ、恥ずべき側面を、?外は見逃さない。魅力的な素材であったのだ。近代の申し子ともいうべき?外の冷徹なまなざしが明らかになる。その視線の下で恥じ入るべきは、レイプされた植民地の女や徴兵逃れの罪をおそれる移民の老婆ではなく、植民地帝国の男たち、そして恥を直視できない「腰砕け」のわれわれなのだ。