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- ゾウと旅した戦争の冬
-
An elephant in the garden.
- 価格
- 1,650円(本体1,500円+税)
- 発行年月
- 2013年12月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784198637279
[BOOKデータベースより]
リジーは、母親と弟のカーリとドイツ東部の町ドレスデンに暮らしていた。父親はロシア戦線に送られ、母が動物園の飼育係として働きはじめた。動物園の猛獣は、町が爆撃を受けたら、射殺されてしまうと聞き、母はかわいがっている子ゾウのマレーネを守るため、夜間はうちの庭につれて帰り、世話をすることにした。ある夜、近所の犬におびえて逃げ出したマレーネのあとを家族三人で追いかけていると、空襲警報が響き渡り、激しい空襲が始まった。燃えあがる町を背に、リジーたちはマレーネを連れ、安全な場所を求めて歩き始める。しかし、たどりついた農場には敵兵が…?凍えながら歩く道、弟の病気、敵兵との恋、迫り来るソ連軍…戦争の冬、ゾウを連れ、ドイツ東部から西へと向かった十六歳の少女リジーとその家族の旅を綴った物語。数々の賞を受賞し、イギリスで第三代「子どものためのローリエット(子どもの本の優れた作家に授与される称号)」をつとめた児童文学作家マイケル・モーパーゴの感動作。小学校高学年から。
[日販商品データベースより]空爆を受けたドレスデンの町。燃えあがる町をあとに、わたしたち家族は、子ゾウを連れて西へ向かった…。戦争に巻き込まれた動物と人間の愛を描く、英国を代表する児童文学作家マイケル・モーパーゴの感動作。
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安堵の吐息とともに読み終え、ティッシュで洟をかみ、洗面所に行って顔を洗いました。(要するに涙もろい・・笑・・)基本的に「戦」という文字がタイトルにつくものには手が伸びない私ですが、これは人に薦められて読みました。とても良かったです!
第二次世界大戦下のドイツのお話ですが、今の時代に生きるおばあさん、リジーの思い出話として語られるため、戦争の悲惨さに少し距離をおいて読むことができ、気分的に楽でした。また戦争による厳しい状況が語られる中、人間と動物とのふれあいや、小さな子どもが持つ無邪気さ、生命力、出会った人たちの親切など、様々な温もりも感じながら読み進めることができました。
16才のリジーは母と弟と、母が勤める動物園の小象マレーネと共に、空襲で燃える町から逃げ出します。「戦火の中、象をつれての逃避行」などというとんでもない設定を作者はどうして思いついたのでしょう?物語作りの巧みさに驚くばかりです。戦火から逃れ、敵から逃れ、味方にも用心しないといけない、食べ物はどうする?という差し迫った状況の中、「そこに象がいる」という不思議さ、象の存在感・・。リジーが語る物語には、敵兵との鉢合わせ、恋心、和解、万事窮すかと思われる事件発生など、ぐいぐい引き込まれる要素がいっぱいです。そして最後には思いもよらないハッピーな出来事が披露されます。
読み手は物語を楽しむと同時に、自然に、戦争と平和について想いを馳せることになるでしょう。夏休みなど、何を読もうかなーと考えている中学生・高校生にお勧めです!(なみ@えほんさん 50代・大阪府 )
【情報提供・絵本ナビ】