- 保守とは何か
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- 価格
- 1,650円(本体1,500円+税)
- 発行年月
- 2013年10月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784168130021
[BOOKデータベースより]
人は「保守」的にしか生きられない。過去にたいする信頼の上に生きている人間に「見とほし」は必要ない。「自分が居るべきところに居るといふ実感」、その宿命感だけが人生を支えている―福田恆存の思想のエッセンスを凝縮したアンソロジー。
1 「私」の限界(一匹と九十九匹と―ひとつの反時代的考察;近代の宿命 ほか)
2 「私」を超えるもの(民衆の生きかた;快楽と幸福 ほか)
3 遅れてあること、見とほさないこと(私の保守主義観;伝統にたいする心構―新潮社版「日本文化研究」講座のために ほか)
4 近代化への抵抗(世俗化に抗す;伝統技術保護に関し首相に訴ふ ほか)
5 生活すること、附合ふこと、味はふこと(消費ブームを論ず;附合ふといふ事 ほか)
「私の生き方ないし考へ方は保守的であるが、自分を保守主義とは考へない。保守主義などといふものはありえない。保守派はその態度によつて人を納得させるべきであつて、イデオロギーによつて承服させるべきではない。」sc恆存が戦後の時流に抗して孤独のなかで掴んだ、「主義」ではなく「態度」としての保守。
時事的な論争家、文芸評論家、脚本家、演出家、シェイクスピア翻訳者など多くの顔を持つsc恆存は、「保守論客」と位置づけられながらも、その「保守」の内実は、必ずしも十分に理解されてきたとは言い難い。sc恆存にとって「保守」とはいかなるものだったのか――本書は、その問いに迫るべく、気鋭の若手論客が編んだアンソロジーである。
本書の構成は、以下の通り、T〜Xまで、年代順であると同時にテーマ別に構成されているが、sc恆存の思索自体が、問いに対する答えを一つずつ腑に落としながら、時代ごとに形成されたものにほかならないからである。
「T 『私』の限界」〔九十九匹(政治)には回収できない一匹(個人)の孤独とその限界をみつめた論考〕。「U 『私』を超えるもの」〔近代個人主義の限界で、エゴ(部分)を超えるもの(全体)へと開かれていったscの論考〕。「V 遅れてあること、見とほさないこと」〔近代=個人を超える「全体」を「伝統」として見出しながら、それを「主義」化できないものとして受容しようとした論考〕。「W 近代化への抵抗」〔戦後を風靡した合理主義と近代主義に抵抗した論考〕。「X 生活すること、附合ふこと、味はふこと」〔「生活感情」に基づき、主義ではない、生き方としての「保守」の在り方を示したエッセイ〕。
旧来の「保守」像と「sc恆存」像を刷新する本書は、今日、最良の「sc恆存入門」であると同時に「保守思想入門」である。
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