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[BOOKデータベースより]
憎悪犯罪を考える必読書。「ヘイト・スピーチ」は、言論でなく暴力と迫害だ!吹き荒れる差別排外主義に抗するために!
第1章 噴き出すヘイト・クライム―京都朝鮮学校事件から見えてきたこと
[日販商品データベースより]第2章 朝鮮人差別はいま―9.17以後の硬直した日本
第3章 コリアン・ジェノサイドとは何か―よみがえる関東大震災朝鮮人虐殺
第4章 人種差別との闘い―国際人権法の歩み
第5章 ヘイト・クライムの刑事規制―社会を壊さないために
第6章 人種差別禁止法をつくろう―私は差別をしない、と言うのなら
第7章 ヘイト・スピーチ対策は国際的責務―表現の自由を守るためにヘイト・スピーチ処罰を
「私は差別しない」と思っているほうが、たぶん楽だろう。
私は差別しないのだから、差別は他人の問題だ。自分と関係ないのに、差別のような重たいテーマに取り組む理由がない。単なる傍観者になろうというわけではない。いざとなれば私は差別に反対する。
ただ、日頃から差別のことばかり考えてはいられない。 それに、差別はよくないが、人間社会から差別が簡単になくなるとも思えない。みんな同じだなんてありえない。差別はよくないが、区別は必要だ。みんな自分で努力して這い上がっていかなくてはならないんだし、努力が報われない平等社会なんて、却って不自然だ。
だから差別、差別と言っているよりも、もっと前向きになって、努力して自分を鍛えて、区別を乗り越えていけばいいんだ――こういう風潮が社会を覆っていれば、悪質な差別がひそかに隙間に入り込むのは容易なことだろう。差別に抗するエネルギーが奪われてしまうからだ。
たしかに、ほとんどの人は積極的に差別をすることはないだろう。しかし、他人の差別が自分の問題ではない以上、理不尽な差別が行われたときに、本当に「ノー!」と声を上げることができるだろうか。
目の前の「小さな差別」――被害者にとって決して小さくはないが――に目をふさぎ、声を上げない社会は、より大きな差別が起きたときに、断固として「ノー!」と言えるだろうか。