[BOOKデータベースより]
木は、見たり聞いたりしてきたことを、歌ったのかもしれない、楽器になって―森の木を育てていた祖父、楽器職人の父、そして音楽にめざめる少年。大きな季節のめぐりの中で、つらなっていくいのちの詩。小学校中学年から。
[日販商品データベースより]木は、見たり聞いたりしてきたことを、歌ったのかもしれない、楽器になって…。大きな季節のめぐりの中で、祖父から父、父から子、そして、森から木、木から楽器の奏でる音楽へとつらなっていく、いのちの詩を描く。
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この物語の主人公となる少年のおじいさんは森の木を育てる仕事、そしてお父さんは木からバイオリンやチェロを作る楽器職人でした。少年は、小さな頃から森の中を歩き、その光や空気を感じ、音に耳を澄ませてきました。そして、家では工房で黙々と仕事をするお父さんを見て育っていったのです。そんなある日、少年はお父さんの作った楽器を弾くチェリストのパブロさんに出会います。パブロさんは教会の演奏会に少年を招待してくれました。そこで触れたパブロさんの演奏に、チェロの音色に、少年は心を奪われていきます。パブロさんのバッハの中には、森の風や川の音、小鳥たちのはばたきが見える気がしたのです。そしてそんな風に歌うチェロを作り出したのはお父さんなのです。やがて季節も移り変わっていき、クリスマスも過ぎた頃、お父さんが誕生日のプレゼントとして作ってくれたのは少年のチェロ!お父さんの手の中で初めて音を出した時、少年は自分がチェロになったような気がして・・・。季節を通して変化していく森の風景の、息をのむほどの美しさ。少年が小さく佇むその景色に見とれていると、どのページからも何か音色が聞こえてくるような気がしてきます。そして、それは楽器が並ぶお父さんの工房やチェロの演奏のシーンからも聞こえてきます。この絵本の中で少年の成長とともに描かれていくのは、おじいさんからお父さん、お父さんから少年へ、そして森から木、木から楽器、楽器が奏でる音楽へとつらなっていく大きな流れ。その命の詩がチェロの響きとして絵本全体から感じることができるのです。弦楽器の中でも何か特別な音色があると感じるチェロ。作者のいせひでこさんも、13歳の時に出会って以降現在にいたるまでずっと弾き続けられているそうです。阪神淡路大震災の復興支援「1000人のチェロ・コンサート」に参加された体験から生まれた絵本『1000の風 1000のチェロ』の発表以来、十数年の創作のモチーフとされてきた'木と人'を結実させた本作品。チェロの奏でる音楽と、いせさんの描く絵が、ひとつになって心に迫ってくるこの感動を、皆さん是非体験してみてください。
(絵本ナビ編集長 磯崎園子)
【情報提供・絵本ナビ】