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[BOOKデータベースより]
だれかすきな子はいますか?あこがれの子はいますか?みみずくは、であってしまいました。あの子に。つたわらなくたって、いいのです。わらわれたって、いいのです。みみずくはきめたのです。あの子をまもるって。トット、トット、トット、トット。そんなとき…きこえてきたのは、不思議な音でした。小学校低学年から。
[日販商品データベースより]大好きな花かげちゃんを、寝ずの番で守ろうとするみみずくの、はかない思いと、たからかにやってくるみどりのスキップの様子が、美しい文章と絵で綴られる。安房直子の名作に、美しい挿絵を付けた絵童話。
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安房さんの作品を紹介した人から「はなびやさんから紹介されて安房さんの作品を読むようになりました。新しい作品が出ないか楽しみにしています」と言われたことがあります。
「安房さんはすでに亡くなられているので、新しい作品が出るとしたら、童話に絵がついた形か短編集として編集された時なんですよ」とお返事しました。
その後、図書館でこの本を見てびっくりでした。その方の願いが通じたかのようなこの本の出版だったからです。
しかも絵が出久根さんということもあり、早速読んでみました。
この作品、他の短編集で読んでから私の中でも大好きな作品の一つです。
桜の時期になると、桜の中の花かげちゃん、花かげちゃんを守る番兵としてのみみずくの存在を思い出すのです。
以前、安房さんのエッセイの中で安房さんご自身が夕方から夜になる一瞬の時間がお好きというようなことを読んだことがあります。
この作品も桜の咲く春から初夏へ移り行く一瞬の時間をよく映し出している気がします。
そして、中に出てくる「トット トット トット…」という音は宮澤賢治を彷彿とさせます。
ああなんて儚くて美しい作品を描けるのだろうと読みながらまたうっとりしてしまいました。
桜の時期にぜひお読みください。そして、巻頭に書いた安房さん好きな方にこの作品を教えて差し上げたいと思いました。(はなびやさん 40代・愛知県 男の子11歳)
【情報提供・絵本ナビ】