- 津波をこえたひまわりさん
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小さな連絡船で大島を救った菅原進
感動ノンフィクションシリーズ
- 価格
- 1,650円(本体1,500円+税)
- 発行年月
- 2012年07月
- 判型
- A5
- ISBN
- 9784333025466
[BOOKデータベースより]
平成二十三年三月十一日―。宮城県北東部の海にうかぶ大島を巨大な津波がおそいました。大島と本土の気仙沼港を結ぶ連絡船「ひまわり」の船長、菅原進さんは、「このままでは島が孤立する!」と、「ひまわり」と共に、津波を乗り切る決心をしますが…。震災後、大島の人びとの大きな支えとなった「ひまわり」のすがたを通して、島民が一丸となって歩んだ復興への道のりを追います。小学校中学年から。
第1章 見つけた仕事
第2章 船長さんは大工さん
第3章 とてつもない津波
第4章 守られた大島
第5章 連絡船「ひまわり」、走り出す
第6章 それから、これから
宮城県北東部の海に浮かぶ大島。津波で孤立した島を救ったのは、小さな連絡船「ひまわり」だった――。
「ひまわり」が大津波を乗りこえたエピソードは、国内外のメディアから多数取り上げられ、話題となりました。
その船の持ち主、菅原進さんが島のみんなのために奮闘する姿を通し、大震災の深い爪痕から復興の光を見出すまでを描いた一冊です。
【ここがポイント】
・何よりも家族や島のみんなの幸せを一番に考える、菅原さんの生き方
・震災直後の気仙沼や大島の状況が、臨場感たっぷりに描かれています
・復興に向け、島民一丸となってがんばる姿が描かれています
【編集者コメント】
海が大好きな菅原さんは、約20年ほど前、大島の海沿いに家を建てました。
大工仕事も得意だっため、細かいところは自分で作った、こだわりの家でした。
その家は、東日本大震災による津波で、1階がめちゃめちゃになってしまいました。
そんな誰もが落ち込むような状況の中で、菅原さんは島のみんなのために、船で大きな津波を乗り越え、1日も休まず島と気仙沼港を往復し続けました。
菅原さんはどうしてそんなことを、当たり前のような顔をしながらできたのでしょうか?
東日本大震災を報道する海外のメディアは、混乱の中にあっても自己中心的な行動をとらない日本人の姿に、非常に驚いたと言われています。
震災をきっかけに、以前の日本人が持っていた「おかげさまで」「困ったときはおたがいさま」「持ちつ持たれつ」といった精神が、日本国内でもまた見直されるようになりました。
こういった動きが一過性のもので終わらぬよう、今一度深く考えるきっかけに、この本がなってくれることを願っています。
宮城県気仙沼市、大島で連絡船を運航する菅原進さんの実話。
2011年の東北大震災で、津波を乗り越え、沖に出て助かった小さな船「ひまわり」は、震災直後の混乱の中、人々の大事な交通手段として、大島と本島を行き来した。
菅原さんの人生の一部分のみではなく、生い立ちから現在に至るまでの流れを追い、臨場感あふれる文章でつづるドキュメント作品。
貧しい漁師の子どもとして生まれ、親に高校進学を反対され、働くことになった菅原少年は、素直に一生懸命働き、自分の船や家を持つようになった。家族と一緒にいたいから、数か月泊まり込みで漁にでるマグロ漁船の仕事をやめ、連絡船の仕事をするようになったという。動物にも好かれ、人々にも好かれる温かい人柄が、にじみ出てくる。人の役に立つことが、自然にでき、本当に必要とされる優しい人とはこういう人の事をいうのだと思う。
日本には、たくさんの目立たないけど素晴らしい人がある。どんどんこういう人を紹介して欲しい。
文章は大きめで読みやすく、適当にルビもふってあるので、年齢問わず読み味わえる本。児童書だが、是非ともたくさんの大人たちにも読んでもらって、人に優しくなって欲しいと願う。パワハラや職場でのいじめなどにエネルギーを使っていないで、この人のように、他の人の幸せを考えて行動できる大人が増えて欲しい。(渡”邉恵’里’さん 30代・東京都 )
【情報提供・絵本ナビ】