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一九四五年八月、日本はポツダム宣言を受け入れ、戦争は終わった。以後、民主化から冷戦の時代へと転換していく激動の時代に作家・詩人はどう生き、何を書いたか。文壇からはじき飛ばされ、反文壇を貫いた太宰治、生涯をかけた哲学小説「死霊」を遺した埴谷雄高、戦争文学の傑作「レイテ戦記」を書き戦後文学の代表的作家となった大岡昇平、暗黒意識と罪のゆるしを作品に昇華させた福永武彦、済州島「四・三事件」をめぐる金石範・金時鐘の生と作品、青春の苦悩と軍隊体験をもとに作品を書き続けた野間宏らの足跡をたどり、戦後文学誕生の舞台裏にせまる。
女たちがつくった太宰治
埴谷雄高「死霊」の歴史
戦争と大岡昇平と芸術
暗黒意識と罪のゆるし―福永武彦の愛の世界
在日の魂金石範と金時鐘
野間宏の地獄と濡れた肉体
民主化から冷戦へと続く戦後の激動の時代を、文学者はどう生きたか。反文壇に徹した太宰治、傑作「レイテ戦記」を書いた大岡昇平をはじめ、埴谷雄高、金時鐘らの生と作品をたどり、戦後文学誕生の舞台裏に迫る。