- 雨あがりのメデジン
-
鈴木出版の海外児童文学 この地球を生きる子どもたち
Barro de Medellin.- 価格
- 1,540円(本体1,400円+税)
- 発行年月
- 2011年12月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784790232506
[BOOKデータベースより]
数か月前、カミーロたちの住む山の斜面に図書館ができました。空からズドンと落ちてきたまっ黒い岩のような建物は、斜面で奇跡的にとまって、空にむかって口をあけている岩のようです。でも、カミーロとアンドレスは図書館のそばにくるといつもくるりと背をむけます。そのわけは…。スペイン屈指の児童文学作家が、南アメリカ、コロンビアのメデジンできょうを生きぬく十歳のふたりの少年の姿をえがいた、雨あがりの物語。スペイン国民児童文学賞受賞作。
[日販商品データベースより]やっぱりここは、世界で一番いい場所だ…。小屋のような家がびっしり立てこみ、迷路のような路地がめぐる、メデジンの貧しい地区の「今」を生き抜こうとする少年と図書館員の物語。スペイン国民児童文学賞受賞作。
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世界中にいる自分と同年代の人は、どんな生活をしていて、どんなことを考えているんだろう? 時々ふと、そんなことを考えます。まだ行ったことのない国、見たことのない景色、考え方や生活の習慣もずいぶん違うんだろうな。でも意外と、大切なものは同じかもしれません。南アメリカにあるコロンビアのメデジン市。山の中腹に広がる「バリオ」と呼ばれる貧しい家が建ち並ぶ地区に、10歳のカミーロは住んでいます。家は泥の壁なので、雨が降ると崩れ、塗り直さなくてはなりませんし、水道も電気も止まることがしょっちゅうです。昼間から酒びたりのお父さんは、お酒を買ってこないと暴れて家族に暴力をふるいます。でもカミーロは谷に広がる町並みや、緑の山々が大好きですし、大親友のアンドレスと一緒にいれば、なんだって乗り切れるのです。数カ月前、カミーロたちの住む山の斜面にピカピカの図書館ができました。ある事情から近づくことを恐れていたカミーロでしたが、ある日初めて、図書館に足を踏み入れます……。政府と反政府のゲリラ組織との武力による対立、麻薬の問題など、コロンビアという国が抱える苦しさは、直接描かれてはいないものの、ふたりの少年を取り巻く過酷な環境からかいま見えます。学校に行かせてもらえなかったり、カミーロの大好きなおじさんは麻薬の取引にかかわって、銃で撃たれて死にました。どんなに苦しくても、盗みはよくないと言い張る、心優しいアンドレスもまた、辛い現実を抱えています。でも、未知の扉である「本」と、ふたりを気にかけてくれる司書のお姉さんとの出会いで、ふたりの世界はこれから変わっていく予感に満ちています。どんなに大変であっても、自分で切り開ける道もあり、必ず見ていてくれる人がいる、と信じさせてくれるのです。どんなにつらいことがあっても、自分の暮らす地を愛するカミーロが大人になったら、みんなが暮らしやすい国を作ろうと奮闘するかもしれません。外の世界に好奇心をもち、目を向けつづけているアンドレスのような子と、いまこの本を読んでいるあなたは、いつか一緒に仕事をすることになるかもしれませんね。これから先、人々の心の中の国境はなくなり、世界はつながっていく――そんな希望を感じます。これからの世界を創っていく、すべての子どもたちに、自由な想像力をはばたかせながら読んでもらいたい物語です。
(編集者・ライター 光森優子)
【情報提供・絵本ナビ】