
ユーザーレビュー (2件、平均スコア:5)
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カツ
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おかしくて、せつない、ちぐはぐな大人と子供の物語
過去の哀しい事故に囚われ、一人場末のスナックを切り盛りする三十路のママ・映子。
彼女の元に過去の友人から無理矢理に少年・タイジが預けられる。
映子とタイジのたどたどしいままごとのような生活が始まる…。
誰も悪くないのに抜け出すことのできない不幸な境遇を生きる人達の
ほんとうにささやかで小さい幸せ。
でもそんな幸せでさえ、不幸の影がいつもつきまとい、
いつか終わってしまう予感がする。
映子ママとタイジのいじらしい生活が
もう胸にグッと来てしょうがありません。
愛情に慣れていない不器用な二人のやり取りが
涙なしには読めません。
この「ママゴト」の表紙や装丁も素晴らしい。
満面の笑みのタイジとタバコを片手に
優しい眼差しを向ける映子。
そして裏表紙には不幸を暗示するかのような黒いカラス。
帯の『「いってきます」も「だいすき」も、はじめてでした。』
というコピーも秀逸です。
2011年で最も面白い作品の一つだと思います。
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みみ
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もの哀しい、擬似家族物語。
若き日に子供を亡くし、
その事が深い傷になっている
スナックのママ・映子。
そんな彼女に、
昔の友達から
5歳の男の子・タイジが託されます。
映子は
トラウマの様によみがえる
昔の思い出に苦しみながらも、
けなげなタイジに
少しずつ心を許していきます。
血縁関係も無く、
きっと永くは続かないであろう
二人のしあわせな時間。
そのことを感じさせながらも、
ころころ太ったタイジと映子の笑顔に
優しい気持ちになれる、
切ない物語です。
[日販商品データベースより]
〈受賞情報〉日本漫画家協会賞優秀賞(第42回)