- TOKYO BLACKOUT
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- 価格
- 1,034円(本体940円+税)
- 発行年月
- 2011年08月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784488417116
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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:3)
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せみまる
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危機に直面した人々の群像劇
装幀の雰囲気から『 ダイ・ハード 』のような冒険小説を想像したがさにあらず。犯人グループと警察の戦いを描くというよりはむしろ、危機に直面した人々の群像劇を志向していたものと思われます。
しかし、エピソードやキャラクター造型などにいまひとつ華がないというか、少しばかり盛り上がりに欠けるという印象です。たとえば、停電だから電気釜でご飯が炊けないという嫁に、土鍋を使おうとする姑のエピソードなんてもっと書き込めばおもしろかったのに、と思う。この手の群像劇は良くも悪くも書き込むことが必要で、このボリュームでは物足りないと感じます。
犯人グループの個々の人間像もきちんと描けているとは思うのだけど、本当にこの動機でこれだけのオペレーションを遂行するのかどうかというリアリティについてはちょっと疑問。
なんて文句ばかりになってしまったが、 東京を大停電に至らしめるまでのディテールは圧倒的で綿密な取材には脱帽です。
[BOOKデータベースより]
8月24日午後4時、東都電力熊谷支社の鉄塔保守要員一名殺害。午後7時、信濃幹線の鉄塔爆破。午後9時、東北連系線の鉄塔にヘリが衝突、倒壊。さらに鹿島火力発電所・新佐原間の鉄塔倒壊―しかしこれは、真夏の東京が遭遇した悪夢の、まだ序章に過ぎなかった!暗躍する犯人たち、そして深刻なトラブルに必死に立ち向かう市井の人々の姿を鮮やかに描破した著者渾身の雄編。