- 聖職の碑 新装版
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- 価格
- 968円(本体880円+税)
- 発行年月
- 2011年06月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784062769914
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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
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Sandy
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悲劇の裏側にあった真実とは
新田次郎は山岳小説の大家と言われていますが、遭難を扱った作品として有名なものはこの作品と「八甲田山死の彷徨」の2つでしょう。どちらも遭難現場の地図が折込になっており、読者は当然、ページと地図の間を何度も往復しながら読み進めていくことになります。この地図上に×マークされている場所で、実際に遭難に遭われた方がかつており、その事実をもとにイマジネーションを膨らませていく作者は、決して情緒的に偏らず登場人物のとったであろう行動を淡々と描いていきます。この作品の特徴は2部構成になっており、前半は遭難事故前後を描いたフィクション、後半は遭難事故からかろうじて生還した当時の小学生3名(著者が取材した時はすでに高齢であった)への取材過程を綴ったノンフィクションとなっています。学校主催の登山での遭難事故ということもあり、当時は学校側への風当たりは厳しいものがあったと想像できます。時を経て重い口を開いた生還者が語った言葉には真実のかけらがちりばめられていました。「遭難記念碑」と刻まれた碑を立てた人たちの思いが伝わります。心に深く残った1冊です。
[BOOKデータベースより]
大正2年8月26日、中箕輪尋常高等小学校生徒ら37名が修学旅行で伊那駒ケ岳に向かった。しかし天候が急変、嵐に巻き込まれ11名の死者を出した。信濃教育界の白樺派理想主義教育と実践主義教育との軋轢、そして山の稜線上に立つ碑は、なぜ「慰霊碑」ではなく「遭難記念碑」なのか。悲劇の全体像を真摯に描き出す。
[日販商品データベースより]大正2年8月、伊那駒ケ岳に登山中の生徒たちを突然の嵐が襲った
山岳小説の金字塔!
大正2年8月26日、中箕輪(なかみのわ)尋常高等小学校生徒ら37名が修学旅行で伊那駒ケ岳に向かった。しかし天候が急変、嵐に巻き込まれ11名の死者を出した。信濃教育界の白樺派理想主義教育と実践主義教育との軋轢、そして山の稜線上に立つ碑は、なぜ「慰霊碑」ではなく「遭難記念碑」なのか。悲劇の全体像を真摯に描き出す。