〈主体〉のゆくえ

日本近代思想史への一視角
講談社選書メチエ　４８２

講談社
小林敏明　

• 価格: 1,760円（本体1,600円＋税）
• 発行年月: 2010年10月
• 判型: Ｂ６
• ISBN: 9784062584838

内容情報

[BOOKデータベースより]

「主体」はもちろんｓｕｂｊｅｃｔの翻訳語である。明治以降、この語がわが国に入ってくると、「主観」「主体」「主語」などさまざまな翻訳語があらわれる。たとえば西田幾多郎は、初期は「主観」をつかっているが、後期になると「主体」しか出てこなくなる。この移行ははたして何を意味するのだろうか。戦後には、「主体性論争」がわき起こり、たとえば学生運動では「主体性」という言葉がキーワードとなった。明治期の受容から、戦後、そして現代に至るまで、それぞれの時代の趨勢となった思想に伏流する「主体」を追い続け、日本近代思想史にあらたな視座を提供する、知的興奮にあふれた一冊。

序章　「体」のシニフィアン群
第１章　ｓｕｂｊｅｃｔの由来
第２章　翻訳語創出
第３章　主観から主体へ
第４章　先駆ける歴史的人間学
第５章　主体・身体・国体
第６章　戦後主体性論争
第７章　叛乱／氾濫する主体
終章　主体の消失？

[日販商品データベースより]

戦後には「主体性論争」がわき起こり、学生運動では「主体性」がキーワードになった。明治以降、日本近代思想史に深く影響を与え続けた「主体」とは何か。その漂流物語から見る日本近代思想史。