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[BOOKデータベースより]
中国にとって「農業・農村問題」は、歴史的に常に最大の問題であった。そして現在、急激な経済発展のなかで、都市/農村の格差拡大、農業の不振、農村の疲弊、農民の貧困が進み、農民暴動も頻繁に発生している。これらは、中国では「三農問題」として議論・研究されており、中国政府も現在、公式にこの用語を採用している。この用語と概念を提唱した人物こそが、温鉄軍である。温鉄軍は、長年にわたって「三農問題」の研究、その改善活動に取り組み、社会や政府に対し警鐘を鳴らし続け、ついには中国政府を動かすに至った。本書は、温鉄軍みずからが選出し構成した、初めての日本語版の論文集であり、「三農問題」とその背景となる中国の経済・社会構造について、歴史的・理論的に理解するための、日本で初めての基本文献となるものである。
第1部 中国近現代史を新たに脱構築する(百年の中国、一つの波動に四度の屈折;新中国三度の対外開放の「収益とコスト」;国際資本の再分配と民間資本の再蓄積;中国の戦略転換と工業化、資本化の関係;「三農問題」の世紀的省察;中国の問題とは基本的に農民問題である)
[日販商品データベースより]第2部 戦略的調整期の中国改革(改革物語―中国農村改革にかかわる一つの議論;近代化を脱構築する;中国は重大な戦略的調整段階に入った;中国の政権党が直面する二つの戦い;私たちはやはり郷村建設を必要とする)
第3部 イデオロギーを超えた経済危機(発展途上国の発展論理―開発経済学の読書エッセイ;グローバル経済の危機と中国放任型成長の動向問題;「紙から紙へ」の循環―米ドル主導の国際金融資本を再認識する;朝鮮民主主義人民共和国ノート)
第4部 発展途上国を実地に考察する(グローバル化、周辺化、ファシズム;いかにサパティスタ革命を認識するのか?;アルゼンチンの「オルタナティブ通貨」と「貧者の市場経済」;土地がなければ反抗する―インド北方農民運動と「毛派」武装闘争の観察報告(1);党争の乱―インド北方農民運動と「毛派」武装闘争の観察報告(2))
“三農問題”の提唱者であり、中国政府の基本政策を転換させた温鉄軍の主要論文を本邦初訳。“三農問題”とその背景となる中国の経済・社会構造について、歴史的・理論的に理解するための、日本で初めての基本文献。