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新現代精神医学文庫
新興医学出版社 貝谷久宣 樋口輝彦
点
1 社交不安障害とは何か2 症状と経過3 症状評価尺度4 生物学5 発達心理学6 疫学7 薬物療法8 心理療法9 社交不安障害に対する集団心理教育―「社交不安障害を克服するために:治療ガイダンス」10 スピーチ恐怖症に対する集団認知行動療法の実際11 バーチャル・リアリティを用いた暴露療法
"(編著者序文より抜粋) 編者は昭和46年より約20年間大学で統合失調症の研究を続けてきた。当時の精神医学研究の主流は統合失調症とうつ病であり,神経症圏の研究はまだまだマイナーの領域であった。その後,今から18年前,大学を辞し臨床に専念するようになってまず第1に気がついたことは,不安障害に悩む人が多いことであった。著者がそれまでに大学で教えられ,経験したよりも,不安障害を持つ人の苦痛はずっと大きく,また,社会的障害度も大変高いことに気がついた。それにもかかわらず,不安障害の研究も診療も十分ではなく,この障害に悩む人々に対する対応は非常に遅れていたというのが当時の現状であった。それ以来,著者はパニック障害を中心とする不安障害の診療に専念してきた。パニック障害を診る中でどうしても避けて通れないのが社交不安障害である。両障害は,どちらも根底に恐怖症体質を有し,表面的な現象が異なっているだけであるとする見解もある。そのようなことで著者は7,8年前から社交不安障害に注目し,症例のまとめや小文を著したり1〜3, 10, 11, 13),一般向けの本を上梓したり14),患者向けのホームページ(http://www.shypeople.gr.jp/)を開設してきた。社交不安障害が米国精神医学会で重点的に取り扱われたのは今から6年ほど前までである。それ以来,研究の停滞があるのか最近ではシンポジウムのテーマになることはほとんどない。一方,本邦では平成15年ごろより選択的セロトニン再吸収阻害薬(SSRI)の社交不安障害に対する治験広告が新聞紙上を飾るようになったのをきっかけに,一般社会で“社会不安障害”という言葉が流布し始めた。そして平成17年10月にフルボキサミンの社会不安障害に対する適応が厚生労働省から認められるや“社会不安障害”は一躍人口に膾炙しはじめた。その後,平成21年10月にはパロキセチンも社会不安障害の適応をとり,この分野への注目はますます高まっている。このようなことは,人知れず悩むことの多いこの障害を持つ人々にとっては非常に喜ばしいことである。社交不安障害がこのようににわかに取りざたされるようになったのはこの“病気”に対する考え方がSSRIの出現で大きく変わったからである。“対人恐怖症”はこれまでは性格とみなされ,大多数の精神科医は真正面から治療の対象として取り扱わないことが多かった。この病態は町の中のポップス治療家にもっぱら任されてきたのである。ところが,SSRIが,今まで性格であるからといって医学的に取りざたされてこなかった病態に対して,画期的な効果を発揮することが明らかになったのである。インターネットが普及した現代,新しい概念の病気についての知識は医療者側よりむしろユ−ザ−のほうがより多く持っていることがある。このような点で,本書が精神科・心療内科専門医だけでなく一般医にも広く読まれ,多くの悩める患者が救われることを心から祈るしだいである。 なお,「社会不安障害」は平成20年5月の日本精神神経学会で「社交不安障害」という名称に変更された。
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1位
又吉直樹
価格:1,320円(本体1,200円+税)
【2015年03月発売】
一覧を見る
[BOOKデータベースより]
1 社交不安障害とは何か
[日販商品データベースより]2 症状と経過
3 症状評価尺度
4 生物学
5 発達心理学
6 疫学
7 薬物療法
8 心理療法
9 社交不安障害に対する集団心理教育―「社交不安障害を克服するために:治療ガイダンス」
10 スピーチ恐怖症に対する集団認知行動療法の実際
11 バーチャル・リアリティを用いた暴露療法
"(編著者序文より抜粋)
編者は昭和46年より約20年間大学で統合失調症の研究を続けてきた。当時の精神医学研究の主流は統合失調症とうつ病であり,神経症圏の研究はまだまだマイナーの領域であった。その後,今から18年前,大学を辞し臨床に専念するようになってまず第1に気がついたことは,不安障害に悩む人が多いことであった。著者がそれまでに大学で教えられ,経験したよりも,不安障害を持つ人の苦痛はずっと大きく,また,社会的障害度も大変高いことに気がついた。それにもかかわらず,不安障害の研究も診療も十分ではなく,この障害に悩む人々に対する対応は非常に遅れていたというのが当時の現状であった。それ以来,著者はパニック障害を中心とする不安障害の診療に専念してきた。パニック障害を診る中でどうしても避けて通れないのが社交不安障害である。両障害は,どちらも根底に恐怖症体質を有し,表面的な現象が異なっているだけであるとする見解もある。そのようなことで著者は7,8年前から社交不安障害に注目し,症例のまとめや小文を著したり1〜3, 10, 11, 13),一般向けの本を上梓したり14),患者向けのホームページ(http://www.shypeople.gr.jp/)を開設してきた。社交不安障害が米国精神医学会で重点的に取り扱われたのは今から6年ほど前までである。それ以来,研究の停滞があるのか最近ではシンポジウムのテーマになることはほとんどない。一方,本邦では平成15年ごろより選択的セロトニン再吸収阻害薬(SSRI)の社交不安障害に対する治験広告が新聞紙上を飾るようになったのをきっかけに,一般社会で“社会不安障害”という言葉が流布し始めた。そして平成17年10月にフルボキサミンの社会不安障害に対する適応が厚生労働省から認められるや“社会不安障害”は一躍人口に膾炙しはじめた。その後,平成21年10月にはパロキセチンも社会不安障害の適応をとり,この分野への注目はますます高まっている。このようなことは,人知れず悩むことの多いこの障害を持つ人々にとっては非常に喜ばしいことである。社交不安障害がこのようににわかに取りざたされるようになったのはこの“病気”に対する考え方がSSRIの出現で大きく変わったからである。“対人恐怖症”はこれまでは性格とみなされ,大多数の精神科医は真正面から治療の対象として取り扱わないことが多かった。この病態は町の中のポップス治療家にもっぱら任されてきたのである。ところが,SSRIが,今まで性格であるからといって医学的に取りざたされてこなかった病態に対して,画期的な効果を発揮することが明らかになったのである。インターネットが普及した現代,新しい概念の病気についての知識は医療者側よりむしろユ−ザ−のほうがより多く持っていることがある。このような点で,本書が精神科・心療内科専門医だけでなく一般医にも広く読まれ,多くの悩める患者が救われることを心から祈るしだいである。
なお,「社会不安障害」は平成20年5月の日本精神神経学会で「社交不安障害」という名称に変更された。