寺社と芸能の中世

日本史リブレット　８０

山川出版社（千代田区）
安田次郎　

• 価格: 880円（本体800円＋税）
• 発行年月: 2009年04月
• 判型: Ａ５
• ISBN: 9784634546929

内容情報

[BOOKデータベースより]

寺院や神社の境内には、清澄で落ち着いた空気が流れている。仏堂や社殿など、多くの建築が歳月をへてしぶい色をみせていることも、あの特有の雰囲気をつくりだしているだろう。しかし、かつて寺社の境内は、もっとにぎやかで楽しい場所だったかもしれないのである。法会や祭礼の日はもちろん、そうでないときにも僧侶や神官たちはしばしば田楽・延年・猿楽などの芸能を楽しんだ。多くの芸能者たちが寺社に出入りし、僧や神官、美しく装った稚児たちが芸能を鑑賞し、みずから演じてもいた。中世の寺社は、劇場でもあった。

寺社・もうひとつの中世社会
１　田楽・邪気払いの呪法（永長の大田楽；武家と田楽　ほか）
２　延年・僧と稚児の競演（遐齢延年；開会式と音楽会　ほか）
３　猿楽・四座と寺社の葛藤（田楽から猿楽へ；室町時代の薪猿楽　ほか）
中世への回路

[日販商品データベースより]

清澄な空気が流れる寺院や神社の境内。しかし、中世の寺社は多くの芸能者たちが出入りする劇場だった。そこで行われていた田楽・猿楽・延年などの芸能を通して、寺社や政治・社会の動向を歴史学的に考察する。