関係の化学としての文学

新潮社
斎藤環（精神科医）　

• 価格: 2,420円（本体2,200円＋税）
• 発行年月: 2009年04月
• 判型: Ｂ６
• ISBN: 9784103140511

内容情報

[BOOKデータベースより]

「小説」は関係の化学である。「まんが・アニメ的リアリズム」「ゲーム的リアリズム」など表現スタイルごとに固有のリアリティがあるが、こと「関係性のリアリティ」においては、言語を直接の素材とする小説が圧倒する―。文学の可能性を示す画期的な表言論。

はじめに　「関係の化学」は存在しない
すべての関係は性的関係である
関係と想像のエレメント
関係性の四象限
雅子はアンティゴネーではない
ナンバーワン・コンストラクション、あるいは欲望の射影幾何学
デュラス＝鹿島田の三角形
アブソープションと関係平面
アミーバたちの虚構装置
「谷崎潤一郎」へのショートカット
関係性の「解像度」―『卍』と『鍵』をめぐって
“”ぶる・コンティンジェンシー・イン・ヴィトロ
ゲシュペンステルと下痢
中上健次の欲望と戒め
地の果てで、娘は母に「違う」と言う
非対称性に向かうまなざし

[日販商品データベースより]

女は「関係」を欲望する。桐野夏生、谷崎潤一郎、中上健次、デュラスまで、精神科医が読み解く文学＆コミュニケーション論。精神分析を超えた作家たちの想像力を解明し、文学の新たな可能性を示す、画期的な表現論。