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[BOOKデータベースより]
吉田久、命がけで東條英機と闘った裁判官―。政府に非協力的な国会議員を排除する意図があったとされる「翼賛選挙」では、聖戦遂行の美名の下、国民の投票の自由を実質的に奪う露骨な選挙妨害が行われた。他の選挙無効の訴えが退けられる中、吉田は特高の監視や政府からの圧力に負けず、戦時中に唯一の「選挙無効」判決を下す。これまでほとんど知られることのなかった気骨ある判決と孤高の裁判官の生涯を追う。
第1章 「こんな選挙が、許せるか!」(シャンデリアの「伝説」;反対の声の出ない議会;妨害と干渉の翼賛選挙;怒りの提訴;異例の裁判官会議;たたきあげの裁判官)
[日販商品データベースより]第2章 「わたしは、死んでもいい」(東條の傲岸な答弁;死を覚悟した鹿児島出張;炙り出された圧力;顔のみえる判例;強くなる風当たり;東條演説事件;崩壊する戦争末期の司法)
第3章 「選挙ハ之ヲ無効トス」(昭和二十年三月一日、判決;辞職、そして大審院全焼;鳩山一郎;吉田茂からの要請;消えた判決原本;戦火を生き延びた「信頼」の証)
すべての国民が一丸となることを要求された太平洋戦争下、聖戦遂行のための違法行為を許さず、命がけで政府を裁いた裁判官がいた。これまでほとんど知られることのなかった気骨ある判決と孤高の裁判官の生涯を追う。