旧約聖書と哲学

現代の問いのなかの一神教

岩波書店
関根清三　

• 価格: 2,860円（本体2,600円＋税）
• 発行年月: 2008年06月
• 判型: Ｂ６
• ISBN: 9784000225663

内容情報

[BOOKデータベースより]

人間のエゴイズムとモラルの崩壊、肥大する欲望と環境破壊…旧約聖書の思想は、現代になお生きたメッセージを発信しているのだろうか。カントとキルケゴール、レヴィナスとデリダ、ユングと西田幾多郎―旧約に問いかけ、その世界像や神観念と格闘した思想家たちと対話する。旧約の“信”の核心に置かれた象徴を解釈学の方法によって解読し、受苦・受難の逆説と贖罪思想とが拓く宗教の次元に哲学的な表現を与える。価値が多様化し拡散した今日、普遍的な規範を再生することは可能だろうか。旧約聖書学と哲学とが交差する地点に立って構想された、新たな“普遍への理路”。

第１部　旧約聖書と哲学（イサク献供物語の哲学的解釈―創世紀二二章の謎を解く；受難の逆説―第二イザヤとソクラテスを比較して；旧約的一神教の再構築―旧約学と哲学との対話から）
第２部　旧約思想と現代（旧約的神理解の現代性―コーヘレス、シェーンベルク、ユング；倫理の再生へ―喜ばしい共生の理路を尋ねて）
第３部　預言者と救済論（預言者的救済の系譜―イザヤ、第二イザヤ、エレミヤ；預言者と申命記主義（上）―研究史暼見；預言者と申命記主義（下）―エレミヤ書の場合）

[日販商品データベースより]

旧約聖書の思想は、現代の世界になお生きて働きうるのだろうか。カント、西田、デリダらの旧約解釈と対話しつつ、「信」の核心にある哲学に表現を与えようとする。「受難の逆説」をテコとした価値転倒の試み。