- 悪女について 改版
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- 価格
- 990円(本体900円+税)
- 発行年月
- 2006年06月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784101132198
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ユーザーレビュー (2件、平均スコア:4.5)
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北区の太
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悪女とはなんだろう
主人公本人は一切登場せず、それを取り巻く27人の関係者の証言で主人公の人生・人間性を綴っています。「悪いことの出来ない清らかな心の持ち主」という人あり、「あんな性質の悪い女はいない」という人あり、現実と同じで、評価は毀誉褒貶、人によって様々。しかし、こんな女性が実際にいたら、手玉に取られ翻弄されてしまうんだろうなと思わる魅力的な人物像に仕上がっています。タイトルは「悪女」ですが、この人は本当に悪女だったのでしょうか。自分の心の命ずるままに一生懸命生きた女性という印象を持ちました。それを許容出来る広い心の持ち主にとっては、最上の女性なのではないかと思います。面白かったです。
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HonyaClub.comアンケート
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「オススメの夏の文庫100冊」レビューコメント
ドラマではどういう演出になっていたのかわかりませんが、原作の方は複数の人物が一人の女性について証言をしていくという、芥川龍之介の「藪の中」形式(藪の中は一つの事件についての証言の集まりですが)で、証言を読み進めていくうちにかえってわけがわからなくなってゆくという。藪の中と同じく、結局全部読んでも謎は解決しない、自分で考え判断するしかないという。裁判員を疑似体験できるような本なのです。よかったら是非。
高校生の頃、有吉佐和子の全盛期で、新刊が出るたびに父が買ってくるのを、片端から読んだ。最初に「この作家は面白い!」と思ったのが『恍惚の人』で、『非色』『真砂屋お峰』なども好きだった。『悪女について』は章ごとに語り手が替わり、ひとりの女性について、それぞれの視点から独白体でつづられる。同じ女性を語るのに、いい人と絶賛されたり、逆に極悪女と呼ばれたり、まったく逆の評価が下されるが、どれも納得できるのだ。今、読んでも「有吉佐和子、うまいなあ」と感じ入ってしまう。私が小説家を志すきっかけとなった憧れの作家でもある。
植松三十里/作家 歴史小説
3 SPECIAL BOOKS掲載日:2013/11/28
【情報提供・3 SPECIAL BOOKS】