[BOOKデータベースより]
1 「自由」という名の街
2 手や足をうばわれた人たち
3 家族をおそった子ども兵士たち
4 子ども兵士を探して
5 「やぶの殺し屋」とよばれた少年
6 麻薬にむしばまれた子どもたち
7 傷ついた心
8 戦うことから解き放たれて
9 ムリアの学校
10 「大統領になりたい」
11 自分のために生きる
質の高いダイヤモンドの産地として知られるシエラレオネでは、その利益が戦争の費用となり、子どもも銃を握った。心に傷を負いながらも未来のために生きようとする元子ども兵士の告白。〈受賞情報〉産経児童出版文化賞フジテレビ賞(第53回)
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価格:1,540円(本体1,400円+税)
【2019年02月発売】
シリアで犠牲になった後藤健二さんの本です。
冒頭は右手、両耳を切断された男性に焦点が当たります。
3歳になる姪は、反政府軍の10歳前後の子ども兵士に、右手を切断された上に両親までも殺されたため、引取って育ててます。
なぜそんな幼い子どもたちが、銃を持ち、戦闘に加わるのでしょうか。
その後、戦闘から逃げ出した子ども兵士を保護し、共同生活を送っている施設に場所を移します。
そこで出会った少年、ムリア15歳。
彼は戦闘で沢山の人を殺しましたが、彼もまた被害者だったのです。
冒頭の男性は言います。
加害者が目の前にいても責めない。彼らを許す。
でも、一生忘れることはないと。
そしてムリアも言います。
人を殺すのは悪いこと。
でも、自分の両親も何も悪いことをしていないのに殺された。戦争とは、そういうものだと。
シエラレオネはとても質の高いダイヤモンドが取れるといいます。
内戦ではそれが格好の標的となり、鉱山は占拠され、採掘されたダイヤモンドは銃に変えられていきました。
その利益がきちんとした用途に使われたなら、国連もユニセフも必要ないんじゃないかと思うと、やるせなくない気持ちになります。
今まで読んだ後藤健二さんの著書の中で、一番過酷な内容です。
でも、子どもにも分かりやすい文章で書かれ、後藤さんの優しさを垣間見ることができます。
今現在、元少年兵のムリアはどうしているのでしょうか。
後藤さんの手による続編を期待したかったのに、残念です。(ヤキングさん 30代・東京都 男の子11歳、女の子5歳)
【情報提供・絵本ナビ】