[BOOKデータベースより]
坂東武者の家に生まれた十六歳の草十郎は、腕は立つものの人とまじわることが苦手で、一人野山で笛を吹くことが多かった。平安末期、平治の乱に源氏方として加わり、源氏の御曹司、義平を将として慕ったのもつかの間、敗走し京から落ち延びる途中で、草十郎は義平の弟、幼い源頼朝を助けて、一行から脱落する。そして草十郎が再び京に足を踏み入れた時には、義平は、獄門に首をさらされていた。絶望したそのとき、草十郎は、六条河原で死者の魂鎮めの舞を舞う少女、糸世に目を奪われる。彼女の舞には、不思議な力があった。引き寄せられるように、自分も笛を吹き始める草十郎。舞と笛は初めて出会い、光り輝く花吹雪がそそぎ、二人は互いに惹かれあう。だが、その場に、死者の魂を送り生者の運命をも変えうる強大な力が生じたことを、真に理解したのは糸世だけだった。ともに生きられる道をさぐる草十郎と糸世。二人の特異な力に気づき、自分の寿命を延ばすために利用しようとする時の上皇後白河。一方草十郎は、自分には笛の力だけでなく、「鳥の王」と言葉を交わすことができる異能が備わっていることに気づく…。平安末期を舞台に、特異な芸能の力を持つ少年と少女の恋を描く、人気作家の最新作。
[日販商品データベースより]少年の孤独な笛が舞姫の舞に出会う時、天の門が開き天界の華が降る。人の命と未来が変わる…。平安末期、それまで安定していた世界が崩れ出し、未曽有の戦が始まる時代を背景に愛を描く異色のファンタジー。〈受賞情報〉産経児童出版文化賞JR賞(第53回)
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ユーザーレビュー (1件、平均スコア:5)
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はなこ
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勾玉三部作の四部作目!!
勾玉三部作の正統な続編・・・だと思います。空色勾玉のあのキャラクターも出ています。
今で言う草食系の男の子がさまざま人と出会いながら成長していくというストーリーはどの作品にもおとらず面白いです。
著者の荻原さんが「RDG」を書いた原点、熊野がキーとなる作品です。
泣かずに読めるか! という作品なので、腰を据えて読んでみてください。
運命を変えてしまうほどの異能を持つ少年と少女の物語。2人は出会い、共に生きることを決めます。
神隠しにあったヒロイン糸世を救い出そうとする草十郎。とても一途ですね。荻原さんのお話は女の子が主人公なものが多いのですが、今回は草十郎視点の物語です。
カラスも勾玉シリーズを読んでいると、感じるものがありました。が、この巻から読んでも全く問題なく楽しめる作品です。(みちんさんさん 30代・愛知県 女の子4歳、女の子2歳)
【情報提供・絵本ナビ】