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[日販商品データベースより]
大きな声のくま校長先生。ある日、校長先生は小さな声しか出せなくなってしまった。でも、それでわかったことが…。「命の授業」の校長先生をモデルに、歌手・こんのひとみと絵本作家・いもとようこが絵本化。
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くまの校長先生は、毎朝元気に「おはよう!」と子どもたちを迎えてくれます。いつも声が小さいひつじくんに、くまの校長先生は勇気を出して大きな声を出すようにアドバイスします。ひつじくんは大きな声であいさつできるように一人で練習しますが、「大きな声」はひつじくんを悲しくさせるものばかりなのです。夜ベッドで寝ているときに聞こえてくる、お父さんとお母さんのけんかの声・・・。お母さんがひつじくんを叱るときの声・・・。ある日、くまの校長先生は、病気で入院することになり、その後大きな声が出なくなってしまいました。お医者さんや看護師さんが校長先生に「大きな声を出して」とは言わず、小さな声にじっと耳をすましてくれていることから、わかったことがありました。大きな声を出そうとしても、出せないときがあるのだと。子どもたちからたくさんの手紙をもらい、校長先生は病院から学校へ通うことを決心します。ひつじくんと二人で山に向かって歩きながら、大きな声を出すように言ったことを謝る校長先生でしたが、そのとき突然、校長先生の具合が悪くなってしまいます・・・。理由があって弱っている人に、「元気出して」とか「頑張れ」と言うことが、その人にとってかえって重荷になることがあります。くまの校長先生は、病気になってそのことがわかったのです。また、ひつじくんは大好きな校長先生が病気になっても自分を応援してくれている姿を見て、自ら勇気を振り絞ることができたのです。これは実話をもとにしたおはなしです。末期ガンと宣告されながら弱り行く自分の姿を子どもたちにありのままに見せ、命の尊さ、生きる意味を教え続けた神奈川県茅ヶ崎市の浜之郷小学校の大瀬敏昭校長。この姿は『命の授業』と呼ばれ、その授業の様子や、学校を変えて行く姿はテレビや新聞、雑誌などで紹介されました。しかし残念ながら大瀬先生はその後亡くなりました。大瀬先生と交流のあったシンガーソングライター・こんのひとみさんが、大瀬先生の思いを物語にして、いもとようこさんのイラストで絵本化しました。何かを成し遂げようとするとき、どれだけの覚悟が出来ているかが、その人の迫力となって周囲の人間に影響を及ぼすもの。やさしく楽しいイラストではありますが、校長先生の「命を賭して」子どもたちと向き合う覚悟が伝わってくるようです。家の本棚に揃えたい、珠玉の作品です。
(絵本ナビ事務局長 金柿秀幸)
恥ずかしがりやでなかなか大きい声で挨拶ができない長女。ひつじくんの気持ちがとってもよく分かる様子。わたしもついつい『大きい声で」と強要してしまっていたので、気持ちがこもっていればいいのかも・・・と考えられるようになり、親子でほっとした感があります。いざというとき、感ばれる力も、きっとどんな子供にもきちんと備わってるんでしょうね。長女にも、「こんなとき頑張れる?」と聞いてみたら、「うん」と緊張した感じで答えてくれました。どんな人が読んでも優しい気持ちを思い出させてくれるいい絵本だと思います。(nicokomiさん 30代・埼玉県 女の子3歳、女の子2歳)
【情報提供・絵本ナビ】