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[BOOKデータベースより]
実解析的手法による非線形現象の話題の理解と、幾何的手法を加え、今後の展開のための基礎を収めた入門書。
第0章 はじめに(一様双曲性を越えた力学系;力学系の安定性 ほか)
[日販商品データベースより]第1章 力学系の位相的性質(推移写像;位相的馬蹄写像 ほか)
第2章 確率測度(正則測度;エルゴード定理 ほか)
第3章 測度的エントロピー(有限分割のエントロピー;分割の集合と距離空間 ほか)
第4章 補遺(測度論の基礎)(測度;積分 ほか)
1960年代の力学系の理論は幾何的手法によって解明が進められ、その手法から数多くの成果を得て力学系の解明に幾何的手法が確立された。ところが、1970年代に入って幾何的手法だけでは解明できない非線形現象が現れ、有効な手法の導入が必要となってきた.ここに誕生したのが測度論を基礎におくエルゴード理論を用いる実解析的手法であった。
しかし、 この方法による理論の展開は難解で、多くの研究者の支持のもとで研究が進められていたとはいい難い状況にあった。その後用いる道具は整理され、かつ簡単になって実解析的力学系の理論として成長してきた。このことは実解析的手法による力学系の研究が有意義であることの証拠でもある。
実解析的手法による理論が面白いと実感できる段階に達するためには、当然のことながら内容を理解しなくてはならない。そのために、初学者をその段階まで導く教科書の必要性を感じた。正確な解説書を作るためには、著者が対象の本質を知らなければならない。このことを念頭におきながら、中心のテーマをやさしく解説するという難題に取り組んだ。
近年では、幾何的手法と実解析的手法を併せ非線形現象の解明が進められているのが現状で、有益な成果とさらなる手法の開発が期待されている。このことも併せて、本書は、実解析的手法による非線形現象の話題の理解と、幾何的手法を加え今後の展開のための基礎を収めた入門書であることを目的とした。
したがって、非線形現象から誘導される力学系に興味のある初学者、学部生、大学院生には専門的知識を要求していない。基礎的な微分・積分、線形代数、位相空間の初歩の知識があれば読み進むことができ、かつ実解析的手法による力学系の理論の最先端の話題が理解できるように、やさしく正確さを失わないように書いている。
(「まえがき」より抜粋)