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- 「核」論
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鉄腕アトムと原発事故のあいだ
- 価格
- 2,200円(本体2,000円+税)
- 発行年月
- 2002年11月
- 判型
- B6
- ISBN
- 9784326652723
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[BOOKデータベースより]
マッカーサーの意向を反映させた憲法草案を机に置き、日本側代表に僅かの検討の時間を与えるためにベランダに出ていたGHQのホイットニー准将は、部屋に戻るなりそう口にした。「原子力的日光」とは当時唯一の核兵器所有国だったアメリカの「力」の比喩に他ならない。核の力を背景にした新しい世界秩序の中で、日本の戦後憲法はアメリカの強い関与によって産声を上げた。そして安保条約を経て、アメリカの核の傘の下で庇護されつつ日本は驚異的な戦後復興を果たす。唯一の被爆国でありながら、アジアで先陣を切って核エネルギー利用技術の受容に踏み切り、電力供給に不安を感じることのない原子力発電大国となったこともまた高度成長を下支えした。「兵器としての核」「平和利用の核」はわれわれの生活に幾重もの影を落としている。本書は、ホイットニーの「原子力的日光」から、東海村臨界事故の被災者が見たという、飛散する中性子線の放つ「青白い光」まで、核の光を見つめる眼差しの下に浮かび上がる「核の戦後史」を考察する。
1954年論 水爆映画としてのゴジラ―中曽根康弘と原子力の黎明期
[日販商品データベースより]1957年論 ウラン爺の伝説―科学と反科学の間で揺らぐ「信頼」
1965年論 鉄腕アトムとオッペンハイマー―自分と自分でないものが出会う
1970年論 大阪万博―未来が輝かしかった頃
1974年論 電源三法交付金―過疎と過密と原発と
1980年論 清水幾太郎の「転向」―講和、安保、核武装
1986年論 高木仁三郎―科学の論理と運動の論理
1999年論 JCO臨界事故―原子力的日光の及ばぬ先の孤独な死
2002年論 ノイマンから遠く離れて
日本の戦後史において、原子力の果たした役割とはなんだったのか。原子力エネルギー利用技術史と日本の原子力受容史をたどりなおし、日本の戦後復興と豊かさの実現に原子力がもたらした功罪を検証する。