[BOOKデータベースより]
よだかは、実にみにくい鳥でした。その姿かたち故に、ほかの鳥からうとまれ、さげすまれ、その名の故に、本物の鷹から嫌われ、おどされつづけました。そしてその自分が、平気で羽虫を食べて生きる宿命にあると気づいた時、よだかは、この辛い世界を捨てようと決意して、一直線に空をのぼってのぼって、ついに青白く燃える星となったのです。よだかの極まった悲しみを描いて、対極の〈まことの幸福〉をはげしく求めた宮沢賢治の傑作を、中村道雄が入魂の組み木絵で絵本化しました。
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よだかは、実にみにくい鳥でした。その姿から、他の鳥たちはよだかを嫌い、悪口を浴びせました。またその名前から、鷹に嫌がられ、名前を変えろと迫られます。ある夕方、とうとう鷹がよだかのうちへやってきて、改名を迫ります。あさっての朝までにすべての鳥のうちを回って改名披露をしろ、さもなくば殺す、というのです。羽虫を食べて生きるよだかは、自分が鷹に殺されることがこれほど辛いのに、その自分は毎晩たくさんの羽虫を殺して生きなくてはいけないことを悟ります。そして辛すぎるこの世を捨てる決心をし、空に向かってひたすら飛んでいきます。宮沢賢治の傑作童話の絵本化ですが、イラストが組み木絵でできており、それがこのおはなしととてもよくマッチしているのです。まさに入魂の組み木絵でしょう。よだかは悩み、苦しみ、自分ではどうにもならないこと――姿や、名前――を責め続けられてついに絶望します。そして太陽に焼かれようと太陽に向かいますが太陽に拒まれ、星座にも向かいますがやはり星座に拒まれ・・・。絶望の末にとった行動さえも、思うようにはならなかったのです。最後の力を振り絞ったよだかの飛行は、まさに鬼気迫るものがあります。迫力ある作品です。組み木絵の作者中村道雄氏は、数十種類の板材を絵として組み込んでいくこの独特の表現方法を考案しました。主な作品に「なめとこ山の熊」「土神と狐」(ともに宮沢賢治作)「そこなし森の話」(佐藤さとる作)(以上偕成社)があります。
(絵本ナビ事務局長 金柿秀幸)
悲しみと苦しさで心の中がいっぱいになってしまいました。
救いをこのお話のどこに見いだせばよいのか・・・・。
よだかのさいご、
「その血の付いた大きなくちばしは、横に曲がってはいましたがたしかにすこし笑っておりました。」
よだかはとうとう、星になったのです。でも、あまりにも悲しすぎる。
羽虫や甲虫を捕って食べる自分を苦しいと思い、
鳥たちに容姿の悪さを笑われ、
鷹などには名前を変えろとまでいわれ
星達からもばかにされ・・・。
よだかの生きた意味を、そこにあってよいはずの命を
こどもたちはどう受け止めながらこの物語を聞くのだろう。
わたしには、よだかのかなしみや苦しみが辛すぎました。
こんな悲しいお話を書いた宮沢賢治さんは、生きることの奥深さを
お話にして今も、私たちに語りかけてくださっているようです。(ハッピーカオリンママさん 30代・鹿児島県 男の子8歳、女の子7歳、女の子4歳)
【情報提供・絵本ナビ】