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[BOOKデータベースより]
魚の生活に、生き物の面白さを見る。しかし、状況と社会とのかかわりにおいて、漁業へと重心が向く。やがて、それを阻害する要因として、原子力発電所が見えてくる。それらがかかえる問題を見切ると、あらためて、漁民の困惑が浮かぶ。それは、もはや、既存の“科学”の範囲を超える。いま、1個の人間としての自己をもって、生活と生産の基盤を自らの手で確保する、新しい視座が求められる。
Part1. もうひとつの視座(1. オイカワの分散とヒトの生活;2. ウマヅラハギの大繁殖と人間社会;3. 川は流れる、ウグイはどこへ)
Part2. 見きわめと怒りのはざま(1. 日本の漁業を考える;2. 回復不可能は違法性を問われないという無法;3. 野生動物を獲ってはいけない論理;4. サケ豊漁の舞台裏;5. 沖縄海洋博を総括する;6. 外来動物と純血主義;7. 原子力発電公害の実相;8. 人と魚と海の共存;9. 漁民と核のゴミ捨て;10. 水産資源をつぶす漁法の変化;11. もうひとつの生物の見方;12. 三冊の本)
Part3. 生態学を超えて(1. 湖沼漁業の現状について;2. 温廃水と漁民;3. 開発の科学と維持の科学;4. 科学者の虚像と実像;人と魚と水を見つめて)