- パンと牢獄
-
チベット政治犯ドゥンドゥップと妻の亡命ノート
- 価格
- 1,650円(本体1,500円+税)
- 発行年月
- 2020年03月
- 判型
- 四六判
- ISBN
- 9784420310888
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[BOOKデータベースより]
チベット人の真意を映す映画を撮り、中国で囚われの身になったドゥンドゥップ・ワンチェン。道端のパン売りから始め、ついにはアメリカに渡って、家族を養い、夫の釈放を待ち続けた妻ラモ・ツォ。彼らの物語から見えてくる、家族とは?難民とは?文化とは?正義とは?自由とは?そして―生きるとは?
第1章 路上でパンを売る人
[日販商品データベースより]第2章 物質的なものは東、精神が宿るのは西
第3章 新天地・アメリカへ
第4章 再会
第5章 ドゥンドゥップの秘密
チベット人の真意を映す映画を撮影したことで、中国で囚われの身になり、獄中で「国際報道自由賞」を受賞したドゥンドゥップ・ワンチェン。
インドのダラムサラで道端のパン売りから始め、ついにはアメリカに亡命して、家族を養い、夫の釈放を待ち続けた妻ラモ・ツォ。
この夫婦と4人の子どもたちの、十年の軌跡を追ったノンフィクション。
2017年12月25日、あるチベット政治犯が、故郷のチベットからスイスを経て米国への亡命に成功した。
このニュースは、ニューヨークタイムズを皮切りに、驚きをもって世界中で報じられた。
男の名はドゥンドゥップ・ワンチェン。2008年、北京五輪開催直前に、チベット人にインタビューした映画『恐怖を乗り越えて』をつくり、国家分裂扇動罪で懲役6年を宣告された。
作品は世界中で上映され、彼は獄中にいながらにして「国際報道自由賞」を受賞する。
しかし、拷問をふくむ過酷な獄中生活を終えたのちに彼を待っていたのは、軟禁生活だった。
一方、夫の活動について何も知らなかった妻ラモ・ツォは、チベット亡命政府のあるインド・ダラムサラで夫逮捕の知らせを受け取り、難民となった。
読み書きのできなかった彼女は、道端のパン売りから始め、子どもたち4人とともにしなやかに逞しく生き抜いていく。
家族は、再び共に生きることができるのか――?
チベット文化に魅かれて滞在していたインド・ダラムサラで、道端でパンを売るラモ・ツォに出会い、彼女とその家族を十年間追い続けた著者のデビュー作。
【著者プロフィール】
小川真利枝(おがわ・まりえ)
ドキュメンタリー作家。1983年フィリピン生まれ。千葉県で育つ。早稲田大学教育学部卒業。
2007年テレビ番組制作会社に入社、2009年に退社し、フリーのディレクターに。
ラジオドキュメンタリー『原爆の惨禍を生き抜いて』(2017)(文化庁芸術祭出品、放送文化基金賞奨励賞)、ドキュメンタリー映画『ソナム』(2014/劇場未公開)、『ラモツォの亡命ノート』(2017)などを制作。
本作が初めての著作。