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[BOOKデータベースより]
テロリストとスパイに対する秘密諜報こそ、最大の任務。発足以来、FBIが「敵」とみなしたのは、米国共産党、KKK、キング牧師を頂点とする公民権運動、反戦主義者、ウェザーマン、アルカイダ、オサマ・ビンラディンら。その能力はCIAをはるかに凌いでいた。『CIA秘録』の著者が、機密解除文書、全て実名の証言で描く、最強諜報機関の歴史。
第1部 フーヴァー&FBI誕生―1895‐1934(「無政府状態」フーヴァー、司法省に入る;「革命」セオドア・ルーズヴェルトの宣戦布告;「裏切り者」ウッドロー・ウィルソンの警鐘 ほか)
第2部 第二次世界大戦前夜からの秘密諜報―1934‐1945(「スパイビジネス」フランクリン・ルーズヴェルトの白紙命令;「曲芸師」大統領直属の諜報長官;「秘密諜報」トロイの木馬と第五列 ほか)
第3部 冷戦―(「ゲシュタポ無用」トルーマンの戸惑い;「対決」冷戦の予兆;「赤いファシズム」若きニクソンと意気投合 ほか)
本書は、前著『CIA秘録上下』(文藝春秋)でCIAの誕生から今日までの全貌を解剖してみせたティム・ワイナー(元ニューヨーク・タイムズ記者)が、もう一つの、そしてNSA(国家安全保障局)が最も頼りにする「FBI」の誕生から今日までを解きあかす衝撃の書です。「FBI」といえば、マフィアのギャングなど犯罪者を逮捕し、法の支配を守る警察部隊だというイメージを持つかもしれません。半世紀近くFBI長官を務めたフーヴァーのイメージも記憶に残っている人もいるかもしれません。しかし、著者は、FBIは、テロリストやスパイに対する秘密諜報こそが、第一の主要任務であり、それは発足時から今日まで変わらないのであって、そこに焦点を当ててFBIの歴史、功罪をみなくてはいけないと指摘しています。前著もCIAの元長官10人を含む300人以上のインタビューによって、CIA創設から今日までを解剖しましたが、今回も匿名の情報源や行き当たりばったりの引用ではなく、近年機密扱いを解除された7万ページ以上の文書にあたり、関係者への取材・証言を集め、書き下ろしたのが本書です。とりわけ、半世紀近く長官をつとめたフーヴァーを「米国のマキアヴェリ」とみなし、彼こそが米国の諜報活動の創始者であり、共産主義者やファシストや人種差別主義者などを相手にどのように戦ったのか、そのためにどんな不正なことや違法なことをしたのか、それに対して、アメリカの裁判所や政治家たちが、いかに抵抗もしたのか、そんなアメリカの民主主義国家としてのさまざまな矛盾や対立が鮮明に描かれています。1920年代の「赤狩り」時代からCIAとの縄張り争い、ルーズベルト、トルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、レーガン、ブッシュ…仕える大統領との協調と対立等々…。スパイ小説より面白い!
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