- かわうそ堀怪談見習い
-
- 価格
- 836円(本体760円+税)
- 発行年月
- 2020年02月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784041084397
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[BOOKデータベースより]
「恋愛小説家」、という自分の肩書きを見て、今のような小説を書くのはやめようと思った。環境を変えるために東京を離れ、中学から3年前まで住んでいた街の、かわうそ堀に引っ越して、怪談を書くことにした。そうは決めたものの幽霊は見えないし、怪奇現象に遭遇したこともない。取材が必要だと思い立ち、怖い体験をよく話していた中学時代の同級生に連絡をしてみる。それから奇妙なできごとに遭遇し、日常が少しずつ歪みはじめた―。
[日販商品データベースより]わたしは「恋愛小説家」と肩書きにあるのを見て、今のような小説をかくのをやめようと思った。
恋愛というものにそんなに興味がなかったことに気づいたのだ。これからなにを書こうか。
環境を変えるため、三年住んだ東京を離れ、中学時代に住んでいた区の隣り、かわうそ堀に引っ越した。
そして、考えた末に怪談を書くことにした。そう決めたものの、
わたしは幽霊は見えないし、怪奇現象に遭遇したこともない。
取材が必要だ、と思い立ち、たまみに連絡をとった。
中学時代の同級生・たまみは、人魂を見たことがあるらしいし、怖い体験をよく話していた。
たまみに再会してから、わたしの日常が少しずつ、歪みはじめる。
行方不明になった読みかけの本、暗闇から見つめる蜘蛛、
こっちに向かってきているはずなのにいっこうに近くならない真っ黒な人影、留守番電話に残された声……。
そして、たまみの紹介で幽霊が出るとの噂がある、戦前から続く茶舗を訪れる。
年季の入った店内で、熊に似た四代目店主に話を聞くと、
絶対に開けてはいけないという茶筒、手形や顔が浮かぶ古い地図があるという。
そして、わたしはある記憶を徐々に思い出し……。
わたしの日常は、いつからこんなふうになっていたのだろう。
別の世界の隙間に入り込んでしまったような。
柴崎友香が、「誰かが不在の場所」を見つめつつ、怖いものを詰め込んだ怪談作品。