- 復興の書店
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- 価格
- 638円(本体580円+税)
- 発行年月
- 2014年11月
- 判型
- 文庫
- ISBN
- 9784094061017
[BOOKデータベースより]
東日本大震災は、東北の書店員たちを悲観させた。岩手、宮城、福島三県の書店数の約九割、三九一店舗が被災―。そんななか、仙台の一部の書店が営業を再開させたのは三月末である。そこで書店員が目にしたのは驚くべき光景だった。開店前から長蛇の列が連なり、あらゆる種類の本が買い求められた。同じく、苦難を乗り越えて、開店した多くの店舗で、活字に飢えているとしか言いようのない人々の姿が目撃されている。ネット注文や電子書籍が一般化した現代、街の書店、さらには紙の書籍の存在意義とはなにか?大宅賞作家・稲泉連氏がルポルタージュする。
1章 本は「生活必需品」だった
2章 福島に灯りをともす
3章 移動書店の人々
4章 ジュンク堂の「阪神」と「東北」
5章 飯舘村に「本のある風景」を
6章 復興の書店
感動ドキュメント「書店員たちの3.11」
震災は、ただでさえ「街の本屋」が消えつつあった東北地方の書店関係者を悲観させた。岩手、宮城、福島の3県で被災した書店は391店。3県の書店数の約9割にあたる。
そんななか、仙台の一部の書店がいち早く営業を再開させたのは3月22日である。流通が止まり、商品は震災以前のものだった。
だが、そこで目にしたのは驚くべき光景だった――。開店前から長蛇の列が連なり、パズル誌、中古車情報誌、お礼状の書き方の本・・・・・・あらゆるジャンルの本が買い求められていた。
それは何も仙台の書店に限った風景ではない。苦難をのり超えて、開店した多くの店舗で、活字に飢えているとしか言いようのない人々の姿が目撃されている。本はただの「情報」ではない。人々にとって「生活必需品」だった。
本書では、大宅賞作家・稲泉連氏が、被災地における書店の「歩み」を記録することで、ネット注文や電子書籍が一般化しつつある昨今の出版界における、書店の「存在意義」そして、紙の書籍の「尊さ」を再発見していく。
文庫版には、震災から3年半を経た東北の書店の「現実」を綴った補章と、本書にも登場する元書店員・佐藤純子さんの特別手記が収録されている。
【編集担当からのおすすめ情報】
文庫版に収録された佐藤純子さんの特別手記は、出版にかかわるすべての方に読んでほしいと思います。