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[BOOKデータベースより]
なぜ、公教育における民族教育の場に注目するのか
[日販商品データベースより]多文化共生と多文化主義、そして民族教育
公教育における民族教育の場の誕生、衰退、そして再登場:1945年〜1970年代まで
京都の市立小学校における民族教育実践の生成と継承
京都市立小学校の民族学級:2005年の調査
多文化共生の中の民族学級:京都、2009年の記録
大阪の民族学級:「覚書型」民族教育実践の誕生から「長橋闘争」まで
大阪市立小中学校の民族学級:2006年の調査
大阪の民族学級と多文化共生教育
川崎のふれあい館における教育実践の生成
川崎市ふれあい館における教育実践と多文化共生
民族教育と多文化共生教育は「共生」できるのか
[本書の構成]
民族教育や多文化主義、多文化教育に関する先行研究を検討し、民族教育と多文化共生教育の相互作用を検討する際の有効な視座を示した。多文化教育への検討においては、教育の場の位置性に注目し、場の性格とあり方、そこにかかわる人々との関係が、マイノリティ児童のアイデンティティの形成になぜ重要なのかを、カリキュラム論を中心として分析を行う必要性を提起した。
本文(第2章から第10章まで)では、公教育における民族教育の歴史を、戦後の民族学級の草創期にまで遡って検討し(第2章)、続けて「民族型」民族教育の実践の事例として、京都における民族学級のあり方(第3章から第5章)、「折衷型」民族教育の実践事例として、大阪における民族学級のあり方(第6章から第8章)、川崎市ふれあい館における民族教育の場のあり方(第9章と第10章)について、長年のフィールドワークに基づいて分析・考察を行った。それぞれの民族教育が行われていた場において、とりわけ1990年代以降の多文化化の潮流の中で、従来の民族教育の基本精神・原則がどのように継承あるいは変貌されているかに注目し、分析・考察を行った。
終章では、各地域の公教育における民族教育の場の基本原則や精神、そして多文化共生教育との関係や相互作用を総合的に検討し、各事例における公教育における民族教育の位置と関係の図式化を試みた。その上で、公教育において、どのような民族教育と多文化共生教育との関係が望ましいのかについての提言を示し、二つの教育の間に繰り広げられてきた葛藤や不調和の超克の可能性と課題を探った。
[目次]
序章 : なぜ、公教育における民族教育の場に注目するのか
第1章 : 多文化共生と多文化主義、そして民族教育
第2章 : 公教育における民族教育の場の誕生、衰退、そして再登場
第3章 : 京都の市立小学校における民族教育実践の生成と継承
第4章 : 京都市立小学校の民族学級
第5章 : 多文化共生の中の民族学級
第6章 : 大阪の民族学級
第7章 : 大阪市立小中学校の民族学級
第8章 : 大阪の民族学級と多文化共生教育
第9章 : 川崎のふれあい館における教育実践の生成
第10章 : 川崎市ふれあい館における教育実践と多文化共生
終章 : 民族教育と多文化共生教育は「共生」できるのか