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[BOOKデータベースより]
掘り起こされた日本人移民「後藤濶」の物語。異なる人種や文化的背景を持つ人びとが共存する「社会」をかれらはどのように生きてきたのか。本書では、多文化社会ハワイや米国本土の日系人の歩みを辿りながら、グローバル化が進む「現代」において重要になっている多文化共生の問題について過去と現代を接合し、今日的な意味を探る。
なぜ、ある日本人移民が近年注目されているのか
[日販商品データベースより]第1部 後藤濶の足跡(一九世紀末に遡る―「不適格な人選」という烙印;後藤濶リンチ事件の捜査と裁判)
第2部 沈黙から記憶の掘り起こしへ(沈黙の時代―人種ヒエラルキーと真珠湾攻撃の影響;カツ・ゴトウ記念碑と記憶のポリティクス)
第3部 記憶の継承・表象・教育(「後藤濶の遺品」の金時計、ビショップ博物館へ;新たな記憶の創出)
ハワイと日本を結ぶ架け橋
「英雄」として掘り起こされた日本人移民、後藤濶。異なる人種や文化的背景を持つ人々が共存する社会をかれらはどのように生きてきたのか。
本書は、ハワイやアメリカ本土の日系人の歩みを辿りながら、グローバル化が進む現代において重要になっている多文化共生の問題について過去と現在を接合し、今日的な意味を探るものである。リンチという暴力の過去が、いかに読み替えられてきたのか――ハワイに渡った後藤濶がアメリカ出身の白人たちによりリンチの犠牲となった事件(1889年)の歴史・記憶・表象を、現地で「発掘」した様々な史料や、100名余の関係者に対して実施したインタビューも用いて検証。そこには、太平洋の楽園というイメージの背後に潜む、ハワイの植民地化という激動の歴史、多文化社会に生きた人々の衝突と融和の歴史が浮かび上がる。
先住民と各国からの移民とその子孫たちにより形成された多文化社会ハワイとアメリカ本土におけるアジア系の位置付けや人種的マイノリティの連帯、環太平洋の人々の移動、文化史の一端を紐解く。