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[BOOKデータベースより]
ロシアのウクライナ侵攻、最大の教訓。同盟なくして平和なし―安全保障の根源を探求する。
第1部 集団的自衛権、ウクライナ、そして日本(ロシアのウクライナ侵攻であぶり出された集団的自衛権の意義;集団的自衛権の解禁が日本にもたらしたもの;日米同盟と集団的自衛権)
[日販商品データベースより]第2部 集団的自衛権の歴史(集団的自衛権の起源―モンロー・ドクトリンの国際秩序;集団的自衛権と国際連盟―ウッドロー・ウィルソンの構想;20世紀「普遍的国際社会」の成立と集団的自衛権)
第3部 戦後日本の国体と集団的自衛権(集団的自衛権は日本でどのように誤解されたか―憲法制定期の議論;集団的自衛権は日本でどのように否定されたのか―沖縄返還時の議論;集団的自衛権の地政学的な裏付け―海洋国家としての日本の運命)
「集団的自衛権をもたない国は侵攻される」。ウクライナをはじめ、世界がロシアの暴虐から得た教訓である。
ところが、日本には「集団的自衛権は憲法違反」という珍奇な説を訴える人々がいる。アメリカを憎み、日米同盟を壊そうとする憲法学者が、あろうことか国連憲章にある国際法上の「自衛権」がおかしな概念であり、日本国憲法こそが正しい、という倒錯した議論を展開しているのだ。国際社会の合意、平和維持のルールを突き崩そうとする危険な主張にほかならない。
著者は近年の空気に危機感を抱き、本書で「集団的自衛権の考え方は国連憲章以前から存在する」ことを明らかにする。たとえばアメリカ合衆国が19世紀に掲げた「モンロー・ドクトリン」(「孤立主義」の表現は誤り。本書参照)や、自由主義陣営の優越性を守る「トルーマン・ドクトリン」、ウッドロー・ウィルソン大統領が語った「いかなる国も自国の政策を他国民の上に及ぼそうとしてはならず、すべての人民が妨害されることなく、脅かされず、恐れることなく、弱小国も強大国も等しく、自らの政策と発展の道を決定するのに自由でなければならない」というビジョンである。
しかしウィルソンの構想は現在、「勢力圏」を唱えるロシアや膨張主義を正当化する中国によって悪用されてしまっている。ウクライナに続く侵略の犠牲者がいつ、どの国から出ても不思議ではない状況だ。今こそ、日本を守る集団的自衛権の意味を正しく伝えることを試みたい。