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[BOOKデータベースより]
一六世紀の西アジア・南アジアには、オスマン、サファヴィー、ムガルの三帝国が鼎立した。各帝国は、中央集権的な支配体制により、多宗教、多民族、多様な社会規範を内包する地域社会を有機的に結び付け、「近世」アジアの繁栄を現出させた。三帝国の遺産がやがてこの地域の「近代」の礎となる―多様性への柔軟性と、イスラム優位のもとでの多宗教の共生を特徴とするこの地域の「近世」を、法秩序、王権の正統性、思想、ジェンダー表象、交易などの視点を交えて豊かに描き出す。
展望 Perspective(西アジア・南アジアの近世帝国)
[日販商品データベースより]問題群 Inquiry(近世のオスマン社会;サファヴィー帝国におけるシーア派法秩序の形成;ムガル帝国における国家・法・地域社会)
焦点 Focus(オスマン王権とその正統性―血統、聖性、カリフ;シーア派世界の深化(一六世紀‐一八世紀);デカン・南インド諸国家の歴史的展開;バルカンにおけるイスラム受容―ボスニア・ヘルツェゴヴィナの場合;絵画に描かれた女性たち;地中海さまざまな繊維や織物が行き交う場;ナイル灌漑をめぐる近世エジプト社会と帝国)
16世紀から18世紀の西アジア・南アジア地域は、多様な人間集団、社会規範が有機的に結びついた独自の「近世」を歩んでいた。オスマン、サファヴィー、ムガルの三帝国の統治システムが多民族・多宗教からなる社会を守っていたのである。共生を特徴とするこの地域の歴史を、法秩序、王権の正統性、思想、ジェンダー表象、交易などの視点を交えて豊かに描き出す。