[BOOKデータベースより]
誰もが知る「風物詩」、しかしその意義は説明しにくい。成人年齢が変わっても「はたちのつどい」が開かれ、「荒れる」とか不要だとか囁かれても残り続ける、独特の恒例行事から日本社会の機微にふれる。
序章 「成人式」への社会学的アプローチ 社会のしくみの襞を浮かび上がらせる
第1章 成人式言説の変遷と青年・若者観 年齢をめぐる普遍性と階層性の忘却
第2章 成人式と着物をめぐる欲望 「買う」から「借りる」のなかで
第3章 現代社会における人びとの「大人である」という認識 計量分析から見る主観的評価と客観的条件
第4章 「荒れる成人式」とは何だったのか 「大人になれない」新成人をめぐるモラル・パニック
第5章 「鏡」としての沖縄の成人式 階層とジェンダーから見た共同性との距離
第6章 在日コリアン2大民族団体と「成人式」 同化を差異化で上書きする「自分たち」の行事
終章 奇妙なものにあふれたこの社会で 「成人式」という対象と「社会学」という方法
誰もが知る日本社会の風物詩,しかしその意義や由来を問われたら,あなたは説明できるだろうか。成人年齢が変わっても融通無碍に開かれ,「荒れる」と批判されたり不要論が囁かれたりしつつも生き残る独特の恒例行事から機微に触れ,社会の在り方を理解する。