- 世界で最後の花
-
絵のついた寓話
- 価格
- 1,760円(本体1,600円+税)
- 発行年月
- 2023年06月
- 判型
- B5
- ISBN
- 9784591178102
[BOOKデータベースより]
現代に生きる全人類に捧ぐ戦争を考える本。
[日販商品データベースより]なぜ人間は戦争を繰り返すのか?
わたしたちは戦争のない未来をつくることができるのか?
雑誌『ニューヨーカー』で活躍した著者が、第二次世界大戦開戦時に戦争のない未来を願って描いた名著を、村上春樹の新訳で復刊。
戦争が起こってしまう「今」を生きるわたしたちに託された平和への願い。
大人から子どもまで読める、戦争を考える本。
【内容紹介】
第十二次世界大戦が起きた世界。文明は破壊され、町も都市も、森も林も消え去った。残された人間たちは、ただそのへんに座りこむだけの存在になってしまった。ある日、ひとりの若い娘がたまたま世界に残った最後の花を見つけます。その花をひとりの若い男と一緒に育てはじめます。すると……。
【ニューヨーク・タイムズ紙絶賛!】
「戦争に関する作品のなかで、最もシリアスで、最も皮肉とユーモアを感じる一冊である」
【村上春樹氏による訳者あとがきも収録】
世界では今でも、この現在も、残酷な血なまぐさい戦争が続いています。いっこうに収まる気配はありません。それはあとになったら、当事者の将軍たちでさえ「何のための戦争だったかもう思い出せない」ような戦争であるかもしれません。そんな中で「世界で最後の花」を守るために、多くの人が力を合わせています。この本も、そんなひとつの力になるといいのですが。(「訳者あとがき」より抜粋)
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「本書は絵本という体裁をとっていますが、決して子供のためだけに書かれた本ではありません。」
これは、この絵本『世界で最後の花』を訳した村上春樹さんが「訳者あとがき」に記した文章です。この文のあとに、こうあります。
「「大人のための寓話」とした方が、作者の真意はより正確に伝わるかもしれません。」
もし、この絵本を絵本だから子供が読むものを思わないで下さい。
むしろ、大人である読者こそ、手にして欲しい一冊あることは間違いありません。
この絵本が刊行された1939年はナチス・ドイツがポーランドに侵攻して第二次世界大戦が勃発した年です。
そんな時、「みなさんもごぞんじのように、第十二次世界大戦があり」という一文で始まる絵本が刊行されていたという事実に驚きます。
「第十二次世界大戦」。これは誤植ではありません。
この大戦によって、人類は滅亡寸前までいきます。
人間にはもう気力すら残っていません。
そんな世界で、一人の若い娘が「世界に残った最後の花」を見つけます。
唯一彼女の話を聞いてくれた若者と花を育てていきます。
二人は忘れていた「愛」を取り戻しました。
やがて、人間はまた生き生きと活動を始めます。
集団ができ、互いに主張を始めます。
そして、また…。
この絵本の冒頭に、作者のジェームズ・サーバーが娘ローズマリーに宛てた言葉が載っています。
「君の住む世界が、わたしの住む世界よりもっと善き場所になっていることをせつに願って」
私たちは彼の言葉にちゃんと答えられたのでしょうか。(夏の雨さん 60代・埼玉県 )
【情報提供・絵本ナビ】