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[BOOKデータベースより]
五世紀ごろにインドの学僧アサンガによって書かれた仏教の哲学文献―『阿毘達磨集論』。サンスクリット語によって書かれたこの文献のほとんどは長いあいだ散逸し、断片が残っているに過ぎない状況であったが、近年の写本発見などにより、資料の全貌が明らかになりつつある。新たに発見された資料、そしてそれにもとづいて復元された原典はなにを物語るのか。インドからチベットへ、そして過去から現在に至るまでそれはいかに伝承されてきたのか。最新の研究成果にもとづき、『阿毘達磨集論』の原典・翻訳・註釈について多角的に論じる。
1 『阿毘達磨集論』における「アビダルマ」とは何か?―『カダム全書』所収資料を手掛かりに
2 Hidden Intentions(abhisamdhi)in the Abhidharmasamuccaya and Other Yog〓c〓ra Treatises
3 ションヌ・チャンチュプ『阿毘達磨集論』註釈の思想史上の位置づけ
4 『阿毘達磨集論』の梵文写本について
5 チベット撰述注釈書の構造化記述について―チョムデン・リクレル著『阿毘達磨集論釈・荘厳華』に対して
6 チベット仏教文献研究の覚書―源流・内在・幻出
本書が取り上げるのは5世紀ごろにインドの学僧アサンガによって書かれた仏教の哲学文献、『阿毘達磨集論』である。
もともとサンスクリット語によって書かれたこの文献のほとんどは長いあいだ散逸し、断片が残っているに過ぎない状況であったが、近年の写本発見などにより、資料の全貌が明らかになりつつある。
新たに発見された資料、そしてそれにもとづいて復元された原典はなにを物語るのか。インドからチベットへ、そして過去から現在に至るまでそれはいかに伝承されてきたのか。
最新の研究成果にもとづき、『阿毘達磨集論』の原典・翻訳・註釈について多角的に論じる。執筆は、高橋晃一、根本裕史、Achim Bayer、彭毛才旦、李 学竹、崔 境眞。
【これまで、『阿毘達磨集論』の原典は、半分以上が散逸した断片的な写本が残っているに過ぎなかった。サンスクリット語で書かれた注釈は完本で残っていたが、『阿毘達磨集論』本文全体を再構成し得る資料ではなかった。しかし、近年になって、新たな写本が見つかり、『阿毘達磨集論』のほぼ全体の原典が復元可能になった。[…]また、やはり近年になって発見され、刊行された『カダム全書』の中に、『阿毘達磨集論』のチベット語訳に対してチベット人が書いた注釈が多く残っていることが分かった。[…]『阿毘達磨集論』の写本研究、原典読解、思想研究の最先端の成果を紹介しつつ、今後の研究の展望を示すのが本書の目的である。】「序にかえて」より
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